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第7章

そして、散々怪盗として仕込まれたマツリは、この日を迎える事となった。
まず予告状を作り美術館のポストへ入れ、その後の警官達の動向をチェック、探りを入れてゆくその中で大柄の男性をマークする。
当日の日中に路地裏でメソドがその出勤前の男性を気絶させ自宅に戻し拘束、メソドはその男性が動かないように自宅で待機、その際奪取した制服や当日の配置が書かれた書類を体格が似ているノイに渡す。
警官達が動き出す夜、ノイとマツリはまずミツメの能力で透明となり美術館へ紛れ込む。
目に見えない状態の二人は容易く展示品の前まで来る事が出来、そのまま展示品には幻影を掛け、ただガラスケースを被せてある状態での展示だった為、するりとティアラを手にする事が可能だった。
後は、時間になるまでそこに居座り、予告時間になったと同時に幻影を解く。
それで出来上がったのが、あの消えゆくティアラの光景だった。
後は、力を使い消耗しつつあるマツリを背負い、美術館内で誰もいない場所を見つけ警官の服を着たノイだけ掛けていた幻術を解き、そのまま出てきた所だった。
「途中警官に声掛けられた時はビビったが…お前の目玉のお陰でどうにかなったな。」
「念の為この制服の持ち主の声を聞いておいて良かったです。」
「褒められると照れちゃう…!」
メソドが会ってすぐに気絶させてしまったのだが、気を失っていても刺激を与えれば声は出るので、警官には悪い事をしてしまったと罪悪感に駆けられたマツリの表情は少し暗い。
ちなみにくぐもった声だったのは、悲鳴しか聞いていないからだ。
「目的を達成する為に手段を選ばねぇ…今回はそういう時だっただけだ。」
割り切れよという思いと、元気出せという励ましの感情が受け取れるも、マツリの表情にはあまり変化は無かった。
すると、微かに通信用で持たされたリンリン草が揺れる。
マツリはすぐに手に取り、花を耳元に当てた。
「―え、警官が船に来ているのですか…!?」
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