第7章
「まずは形から入るのが一番よね~♡」
ご満悦で出来上がったコスチュームを眺めているサナ、その見られているマツリは居心地が悪いというような表情を向ける。
「…もう寝間着としか着ないと思っていたのに。」
「前から思っていたけど、その黒ずくめの部屋着はどうかと思っていたから今度新しいかんわいいパジャマを作るわね♥」
今マツリが着ているのは、前に怪盗として活動していた際使っていた黒のシャツとレギンスに靴、そして目隠しの様に巻かれているバンダナをサナがより機能的に、そして少しオシャレに改良した物だった。
「そのバンダナは付けていても問題無いんだな?」
「透視で見えます…能力の負荷は軽い方なので大丈夫です。」
「オレも問題なし!」
聞いてもいないのに答えるミツメにまたマツリの拳が襲う。
「…念の為手袋も付けよう、滑り止めのあるやつ。」
「勿論、準備出来ているわよ♡」
ティアラを盗む為の作戦会議が行われている船内の鍛錬室、そこに集まっていたのはサナ、メソド…そしてマツリだった。
「盗みに必要なのはまず動きやすさだ、動きを邪魔するような服はマイナスにしかならないからな。」
「…その割にはバンダナのリボンが大きかったりレギンスの裾にレースが付いているような装飾が多いような。」
「だって怪盗よ~オシャレしてなんぼじゃない?」
緊張感も無くにこにこしているサナに、一同は呆れ顔で見るもメソドが声を出す。
「………まぁこれくらいなら小さな方だろ、大道芸の時よりは派手じゃないし。」
「メソドさん…。」
恨みがましいその目を避ける様にメソドは話題を変える。
「俺からはこれ…睡眠薬、毒薬、しびれ薬、目くらまし、まきびし、火種…その他色々入ったウエストポーチだ。」
4つのポケットが付いたそれを受け取り、その重さにマツリは目を白黒させた。
「お、重い。」
「経験者として助言するけど小道具は多い方がいいわよ~、これまでこういった盗み担当はわたしかメソドちゃんだったんだから。」
その言葉に少女の表情が変わる。
「え、じゃああたしが盗まなくてもいいのでは…?」
「いや、それは違う。」
そこはメソドがキッパリと言い切った。
「小柄な体で、視力が良い、加えて幻術も使える…それで一見すると盗みなんてしなさそうな君が一番適任で向いているから。」
「盗人に向いているって…。」
「誰しも向き不向きがあるのよ、これは誇れる事だと思うわ。」
何と言われようが警官に突き出されたら即刻牢獄行きになる犯罪者に向いていると言われ、マツリの胸中には複雑な思いが渦巻いている。
「それでも…ある程度訓練は受けて貰わないといけないがな。」
訓練?とマツリが首を傾げると、サナがどこから持ってきたのか複数の箱を取り出してきた。
「今からマツリちゃんには色んな鍵を開ける技を習得して貰うわ♡」
「それだけじゃないぞ、俺が渡した薬の使い道や、音を立てない歩行方法の習得、美術館への侵入経路とおよそ来るであろう警官の人数の確認をするぞ。」
笑顔のサナとあくまで無表情のメソドだが、二人ともその目の奥には同じ光が宿っている。
嫌な予感が止まらないマツリは、自棄になって船長に宣言した事へと後悔を強めながら、悲鳴を上げた。
「分かりきっていましたけれど、本当にやる事が犯罪者じゃないですかーっ!!」
その後、二人に絞られてカッスカスになった彼女の姿がベッドの上にあり、第一発見者のガーナは無言でその頭を撫でていた。
ご満悦で出来上がったコスチュームを眺めているサナ、その見られているマツリは居心地が悪いというような表情を向ける。
「…もう寝間着としか着ないと思っていたのに。」
「前から思っていたけど、その黒ずくめの部屋着はどうかと思っていたから今度新しいかんわいいパジャマを作るわね♥」
今マツリが着ているのは、前に怪盗として活動していた際使っていた黒のシャツとレギンスに靴、そして目隠しの様に巻かれているバンダナをサナがより機能的に、そして少しオシャレに改良した物だった。
「そのバンダナは付けていても問題無いんだな?」
「透視で見えます…能力の負荷は軽い方なので大丈夫です。」
「オレも問題なし!」
聞いてもいないのに答えるミツメにまたマツリの拳が襲う。
「…念の為手袋も付けよう、滑り止めのあるやつ。」
「勿論、準備出来ているわよ♡」
ティアラを盗む為の作戦会議が行われている船内の鍛錬室、そこに集まっていたのはサナ、メソド…そしてマツリだった。
「盗みに必要なのはまず動きやすさだ、動きを邪魔するような服はマイナスにしかならないからな。」
「…その割にはバンダナのリボンが大きかったりレギンスの裾にレースが付いているような装飾が多いような。」
「だって怪盗よ~オシャレしてなんぼじゃない?」
緊張感も無くにこにこしているサナに、一同は呆れ顔で見るもメソドが声を出す。
「………まぁこれくらいなら小さな方だろ、大道芸の時よりは派手じゃないし。」
「メソドさん…。」
恨みがましいその目を避ける様にメソドは話題を変える。
「俺からはこれ…睡眠薬、毒薬、しびれ薬、目くらまし、まきびし、火種…その他色々入ったウエストポーチだ。」
4つのポケットが付いたそれを受け取り、その重さにマツリは目を白黒させた。
「お、重い。」
「経験者として助言するけど小道具は多い方がいいわよ~、これまでこういった盗み担当はわたしかメソドちゃんだったんだから。」
その言葉に少女の表情が変わる。
「え、じゃああたしが盗まなくてもいいのでは…?」
「いや、それは違う。」
そこはメソドがキッパリと言い切った。
「小柄な体で、視力が良い、加えて幻術も使える…それで一見すると盗みなんてしなさそうな君が一番適任で向いているから。」
「盗人に向いているって…。」
「誰しも向き不向きがあるのよ、これは誇れる事だと思うわ。」
何と言われようが警官に突き出されたら即刻牢獄行きになる犯罪者に向いていると言われ、マツリの胸中には複雑な思いが渦巻いている。
「それでも…ある程度訓練は受けて貰わないといけないがな。」
訓練?とマツリが首を傾げると、サナがどこから持ってきたのか複数の箱を取り出してきた。
「今からマツリちゃんには色んな鍵を開ける技を習得して貰うわ♡」
「それだけじゃないぞ、俺が渡した薬の使い道や、音を立てない歩行方法の習得、美術館への侵入経路とおよそ来るであろう警官の人数の確認をするぞ。」
笑顔のサナとあくまで無表情のメソドだが、二人ともその目の奥には同じ光が宿っている。
嫌な予感が止まらないマツリは、自棄になって船長に宣言した事へと後悔を強めながら、悲鳴を上げた。
「分かりきっていましたけれど、本当にやる事が犯罪者じゃないですかーっ!!」
その後、二人に絞られてカッスカスになった彼女の姿がベッドの上にあり、第一発見者のガーナは無言でその頭を撫でていた。