第7章
時は遡る。
ざわざわと、様々な人々が会話をしながら同じ方向へ歩く行列の中に彼等はいた。
「こんなにたくさんの人…前の美術館ではいませんでした…。」
少し息を切らしながらも興奮している様子が隠しきれていないマツリが隣にいるサナに囁く。
「それもそうですね、前は小さな所を選びましたけれど…ここはそこそこ大きな所ですから。」
離れないで下さいね、とこちらに手を差し伸べて告げる彼に周囲から羨望の眼差しを感じながら「はい…。」と素直に手を繋いだ。
「はい、貴方も。」
「しねーよ。」
知り合いだと思われたくないと言うように渋い顔で距離を取ろうとするノイにマツリは助けを求める。
「お願いですノイさん、あたしの服の裾とかでもいいので掴んでいて下さい…でないと周りの視線に射殺されます…。」
「いや、実際に殺されるわけじゃ」
「はいはい、列が詰まってしまいますからとっとと行きましょうね~。」
我関せずサナは愉快そうに二人の手を顔に似合わない多大な握力を使い黙らせると、ずるずると美術館の最終展示品まで引っ張っていった。
ざわざわと、様々な人々が会話をしながら同じ方向へ歩く行列の中に彼等はいた。
「こんなにたくさんの人…前の美術館ではいませんでした…。」
少し息を切らしながらも興奮している様子が隠しきれていないマツリが隣にいるサナに囁く。
「それもそうですね、前は小さな所を選びましたけれど…ここはそこそこ大きな所ですから。」
離れないで下さいね、とこちらに手を差し伸べて告げる彼に周囲から羨望の眼差しを感じながら「はい…。」と素直に手を繋いだ。
「はい、貴方も。」
「しねーよ。」
知り合いだと思われたくないと言うように渋い顔で距離を取ろうとするノイにマツリは助けを求める。
「お願いですノイさん、あたしの服の裾とかでもいいので掴んでいて下さい…でないと周りの視線に射殺されます…。」
「いや、実際に殺されるわけじゃ」
「はいはい、列が詰まってしまいますからとっとと行きましょうね~。」
我関せずサナは愉快そうに二人の手を顔に似合わない多大な握力を使い黙らせると、ずるずると美術館の最終展示品まで引っ張っていった。