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第6章

ガーナに言われ、海賊達が各々服を着てから就寝の準備をする…のだが。
「賊に襲われたとはいえ、こうも散らかっていると眠れねぇな!」
ガハハと笑いながら船長が自身の部屋に落ちている植物達が落としてしまった葉っぱや、賊達が食べ物や宝物を探す為荒らした跡を片付けていた。
「というか、何か落書きみたいなのもあるな?」
「そうですね。」
ふざけながら作業を進める船長とは違いもう馴れたとばかりに淡々と作業をするメソドは頷く。
「オイ…ちょっといいか。」
元よりその表情は強面の男が、怒りをどうにか押し込めながら入り口に現れ二人は彼を見た。
「どうした~?」
「この皿…誰が使ったか見たか?」
その太い腕に抱えられた大皿、それをメソドが確認するとノイの様子に納得する。
「端が欠けているのか…欠片は?」
「見つからん。」
せめて欠片が見つかれば接着剤で付ける事が出来るのに、と苦い表情を見せる彼に「わ~か~る~。」とおちゃらけた声が耳に入る。
「ここもさ、落書きもそうだけれど、カーテンが剥ぎ取られているとこもあるし…当事者に聞くしかないかなって。」

そういうわけで、大人3人はガーナがいるであろう女子の寝室前まで来ると、また別の人物が現れた。
「あら、皆来たのね。」
機嫌が回復したのか、柔らかい表情でサナが迎える。
「そっちもガーナに用事?」
「そうね、聞きたい事があったのだけれどね…。」
ノックしても返事が無い、と彼は言う。
時間が時間なので、少女は寝る時間だから明日にしようか迷っていた所だったらしく、そのタイミングで彼等と合流したとのことだった。
サナの話を聞いて起こしてまで聞くのは酷だろう、と他の男性陣も退散しようと足を踏み出した所。
「あ、すみません…遅くなりました。」
部屋の中からマツリが出てきて、彼等に待って欲しいと告げる。
「ガーナちゃんは寝てる?」
「はい、その…色々言いたい事があるだろうけれど、明日以降にして欲しい…と。」
聞かれる事を前もって察知していたのか、寝る直前にそう言われたと彼女は彼等に告げた。
「その、内容が本当に信じられない事なので、ここでは説明しきれないのですが…凄く、頑張ってくれたみたいです。」
きぃ…と控えめに開けた扉の先、ベッドの上に作られた小さな膨らみは彼女がいる印。
呼吸に合わせて上下する様を見て、マツリは笑みを深くする。
流石に言これ以上言及する意思が無くなり、大人達は元の持ち場へそれぞれ帰って行く。
マツリは彼等の後ろ姿を見届けた後、部屋へ戻りガーナのベッドに起こさないようゆっくりと座る。
そして、毛布からちらりと出ているその頭を撫でた。

「………お疲れ様、ガーナちゃん。」
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