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第6章

拒否の言葉を受け、男は今一度マッチを擦る。
「まだあるぞ。」
依然優勢なのはこちらだと言わんばかりに目の前に火を見せつけられた。
「お前が来るなら植物も、他の人間も、この船も燃やされずに済む…それでもか?」
「なんどもいわせないで。」
すぐに返ってきた返事は、意思の固さが窺えるが同時に考え無しに言っているようにも見える。

「そうか。」

躊躇無しに放たれた火はガーナの足下へ投げられた。
(すぐに広がるものじゃない…ッ!)
部屋に敷いてあった絨毯が焦げるが、すぐにガーナ植物達と協力して吹き消す、しかし。
再度響くあの音にガーナは眉間に皺を作った。
「さて…これでやっと形勢逆転だな。」
頭以外を拘束していた植物達が燃やされ、彼等がガーナの前に立ちはだかる。
「どうにかして生け捕りにしろ、足や手は折っても良い。」
その声と共に一人の少女へ複数の男が襲いかかった。

瞬間。

ヒュッと空気を切るような音がガーナの目の前で起きた。
「な…何で、大人が…!?」
後ろから聞こえる足音は、どれも聞き覚えのあるもので、視界が歪んでくる。

「…おっっっっっっっそい!!!」

大きな非難の声、それに応えたのはずっと自分を見守ってくれた人。
「わりーわりー…片付けるから待っててくれ。」
先程まで小さな姉を困らせる問題児だった子ども、その背中は姉も超えて大きな物へ。

「最年少が頑張ってくれたから、こっちも全力出さないとね~メソドきゅん。」
「…分かってますよ。」

駆けつけた船長とメソドが、逃げようとする賊達を一掃する為に動き出した。
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