第6章
彼女はいつも、襲撃時には船の中にいる。
それは、海賊達の足を引っ張るから。
―という訳では決して無い。
ガーナの能力はその体内に流れる血を使い植物を操る事、そして操る事以外にも、水に血を混ぜた物を植物に注げば新たな植物へと進化させる事も出来る…使い方次第で可能性が広がる唯一無二の能力。
それが遺憾なく発揮出来るのは、海賊船の甲板などでは無い。
「おわあぁぁぁぁぁあ!?」
わさわさと急激に弾けるように育ったような草は、賊の頭の足を取りその体を捕獲しその首に脅すように鋭い棘をびっしりと生やした茎が近寄った。
「動かない方がいいよ、毒があるかもしれないし。」
多様に存在する植物の内の一つに、寄生植物という植物がある。
寄生植物と呼ばれる植物の一種で、地面に根を張らず、他の樹木の枝の上に生きる植物で代表的な物はヤドリギと呼ばれる植物だ。
植物が育つのは、大地だけという訳では無く、石にも、海にも、他の木にも彼等は環境に適応し進化して生きる。
つまり、ほぼ木材によって作られた海賊船に、日頃から種を仕込みガーナの血という発火材をそこに注げば。
ガーナにしか発動させる事の出来ない強力な罠が出来上がる。
「そっちからガーナを傷つけてくれて良かったよ…自分からナイフで傷をつくるの、あんがいこわいからね。」
じくじくと腕から伝う痛みから意識を反らしながら、ガーナは呟く。
彼女は避難の為に船に籠もる訳では無い。
彼女が、いや彼女こそ…この船の防御の要。
船の甲板など生温い、有事の際に船全体を植物で覆いその全てを手指の如く操る海賊一の守りを発揮する植物達の姫である。
それは、海賊達の足を引っ張るから。
―という訳では決して無い。
ガーナの能力はその体内に流れる血を使い植物を操る事、そして操る事以外にも、水に血を混ぜた物を植物に注げば新たな植物へと進化させる事も出来る…使い方次第で可能性が広がる唯一無二の能力。
それが遺憾なく発揮出来るのは、海賊船の甲板などでは無い。
「おわあぁぁぁぁぁあ!?」
わさわさと急激に弾けるように育ったような草は、賊の頭の足を取りその体を捕獲しその首に脅すように鋭い棘をびっしりと生やした茎が近寄った。
「動かない方がいいよ、毒があるかもしれないし。」
多様に存在する植物の内の一つに、寄生植物という植物がある。
寄生植物と呼ばれる植物の一種で、地面に根を張らず、他の樹木の枝の上に生きる植物で代表的な物はヤドリギと呼ばれる植物だ。
植物が育つのは、大地だけという訳では無く、石にも、海にも、他の木にも彼等は環境に適応し進化して生きる。
つまり、ほぼ木材によって作られた海賊船に、日頃から種を仕込みガーナの血という発火材をそこに注げば。
ガーナにしか発動させる事の出来ない強力な罠が出来上がる。
「そっちからガーナを傷つけてくれて良かったよ…自分からナイフで傷をつくるの、あんがいこわいからね。」
じくじくと腕から伝う痛みから意識を反らしながら、ガーナは呟く。
彼女は避難の為に船に籠もる訳では無い。
彼女が、いや彼女こそ…この船の防御の要。
船の甲板など生温い、有事の際に船全体を植物で覆いその全てを手指の如く操る海賊一の守りを発揮する植物達の姫である。