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第6章

「これはまた…可愛い幽霊が現れたもんだ。」
これまで奇怪な現象に襲われてきた彼等だが、自分達より明らかに弱いと思える彼女が現れた事により余裕を取り戻したようだった。
「嬢ちゃん、パパやママは何処に居る?」
「馬鹿だなぁ居る訳ねぇだろう!」
ゲラゲラと笑う彼等の様子に、全く反応を示さない彼女の腕を掴もうと賊の一人が前へ歩み出たその瞬間。

「ばあ。」

後ろ手で隠していた鉢、そこに植えられていた植物の実が揺れ、小刻みに震えたソレは目の前の賊へと弾けるように飛びかかる。
「ぎゃあ!」
完全に警戒を解いていた彼は悲鳴を上げてよろけると、少女の後ろから現れた先程の枝に足を取られそのまま部屋の外へと連れ出された。
情けない声が遠ざかるのを聞きながら、残された男達は先程彼女に向ける舐めた態度が無くなり、再度緊張感が漂う雰囲気に包まれる。
ガーナは鉢を前に差し出し、男達を牽制しながら言い放つ。
「よい子は寝る時間…これ以上この船にわるさするなら、ようしゃしないよ。」
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