太陽が西へ傾いて来たので、そのままちびっ子海賊達は食堂で夕飯を食べる事となった。
（食料庫にほぞんしょくがあってよかった…。）
先程おやつを食べたので、子どもの体からして恐らく量は多くなくても良いだろうと考え、ノイが作り置きしていたちょっとした量の瓶詰めにされたピクルスと塩漬けにされた豚肉、そしてカトラリーを食べ物の近くに置き、彼等を呼び寄せる。
「ほら、ゴハンよういできたよ！」
おやつを食べていても食欲は尽きないのか歓声が沸き、一同がテーブルに座りいつも以上に騒がしい食卓が始まった。

「はらいっぱーい。」
各々食事を終わらせ、その場で遊び始める者、食欲が満たされて眠気が来たのか船をこいでいる者、歯と歯の間に入ってしまった豚肉と格闘している者を見ながらガーナはぐったりとテーブルに顎を乗せている。
（…子どもそだてるのって、たいへんだなぁ。）
一人だけでも大変なのにこれだけの人数を監督しないといけないとなると、ストレスが高まってしまうのも仕方なく、一日も経過しない内に少女は疲れ果てていた。
洗わなければいけない汚れた皿を見ない振りしながらも、彼女は頭を回す。
（そもそも、何でみんな子どもになっちゃったんだろう。）

根本の問題はそこである。
原因があの霧にあることは間違いないのだが、彼等を元に戻す術がガーナには分からない。

（前にサナによんでもらったほんで時をこえるお話があったけど…あの落ちた服をみると、みんながちいさくなってあんな感じになったみたいだし。）
目の前の現状をどうにかする為に彼等の面倒を見てきたが、戻らない可能性を考え少女は思わず顔を顰めてしまう。
（……………ガーナの時も、みんなおもったのかな。）
昔の記憶を辿っていると、服の裾をサナが引っ張る。
「眠い、ベッド。」
「…歯磨きしてからね。」
他のメンバーも呼び、皆で歯磨きをする事となった。