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第6章

散々走り回ってどうにか全員に服を着て貰った後、とりあえず遊び道具があるガーナの部屋へ案内した時だった。
ごおん…ごおん…
「あ、まずい。」
これまでしなかった音が耳に入ってきてガーナは表情を固くする。
当たり前なのだが、ここは船であり船は住居でありながら海を走る乗り物である、そして今船を操縦する人物はいない。
安定した場所に碇を降ろしていない船は、波に攫われどこか分からない所まで流されてしまう、ガーナは先程の音を船長に教えて貰った浅瀬に乗り上げる前兆の様なものと考えた。
「…仕方ない、アレやろ。」
遊び道具に夢中になっている彼等に、少し離れると伝えその場を離れた。

予感はしていた、先程の凶行を見たのだから。
けれど現実は彼女をあざ笑う様に、想像を超えてくる。

壁と床一面には、ガーナと同室であるマツリが持っている画材が多用に使われた落書き。
先程着た癖に真っ裸で、しかも足にはペンキが付着したまま走り回る子ども達。
当然壁や床以外にも汚れが拡散されてゆく、しかも布団もまた引き裂かれている現状。
「こ…のッ、よくもボクのかおをよごしたな、じゅうざいだぞ!」
「わりーわりー、わざとじゃねーって。」
「むしろにあってんぞー。」
追いかけっこをしている男子3名。

海賊船に、幼女の雷が落ちた。
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