第5章

愛されてはいた。
色んな愛に揉まれて、溺れて、救われて…色々な事があった。

小さな冒険として始めたお出掛けは、いつしかとんでもなく大きな物へと変わって。
自分でも予想出来ないような、滅茶苦茶な未来に来た。

正しい別れにはならなかったけれど、父親達に、生まれた島に別れを告げて。
船の帆が張られ、海を走り始める。

それは。
長い長い、正真正銘の果てなき冒険の始まりだった。
34/34ページ
スキ