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第5章

すでに遠くから「門番は何をしている!?」と怒号が飛んでいるのが彼らにも聞こえたが、辿り着いた時に納得がいった。
「はい、メソドお疲れ。」
「どうも。」
門番が倒れている横で、メソドが立っていた。
「さて、ここからは追いかけっこの始まりだな。」
サナをずっと持ち続けているノイに「変わるか?」と船長が声を掛けるも彼は首を振った。
「一人でどうにかしようとしたバカに、信用出来る奴かどうか実際に見てもらうつもりなんで。」
「…悪かったですよ。」
恨み節とも取れる言葉にサナは顔を見せずに謝罪を口にするが「ハッ…どうだか。」と捻くれた言葉しか出さない。
「はいはーい、そこから先は船に帰ってからやろうねー。」
「実際時間は無い、走るぞ。」
その場から、4人は走ってアスタニア邸から無事に脱出する事が出来た。

「…無事に出たみたいだね。」
とある場所で風吹く中、マツリが呟く。
「じゅんびはこんな感じでいいの、マツリ?」
「うん、十分だよガーナちゃん」
さて、と彼女はその額にあったバンダナを自分の目元に下げ、結び直す。
「大人の皆さんにばかり大変な思いをさせるのは心苦しいから…頑張りますか。」
「主にオレがだけどね〜。」
額からする声に、彼女は拳骨を喰らわせた。
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