第5章
対話をする、とは言ってもその様な様子は微塵も感じない緊張感の中、船長は口を開く。
「さっきも彼の口からあったように、もう彼はオレ達の仲間なので…いいですよね?」
「ならぬ。」
父親がその片手を上げ、後ろに控えていた警備員達が各々武器を構える。
「そいつを諦めろ、今なら通報せずに見逃してやるぞ。」
「ひゅ〜…ねつれつぅ〜。」
口笛を吹き揶揄う様に、歯を見せて彼は返事をする。
「駄目だな。」
ノイに抱えられていたサナの目が見開かれた。
「アイツがオレ達を選んだのなら、船を用意したオレがそれに応えなきゃあかんでしょ。」
彼の上げれていた片手が前へと動かされた瞬間、警備員が一斉に海賊達へ襲い掛かる。
「親父さんなら、息子の晴れ姿見送ってくれよ。」
いつから引き抜かれていたのか、サーベルが鞘から引き抜かれ、横一線警備員達を薙ぎ倒す。
それを見てすぐに父親は戦力にならない使用人へ警察への通報を指示、そして次に海賊達へ差し向ける警備員の準備へと声を上げる。
船長とノイ、そしてサナはその場から一気に駆け出し逃げ始めた。
「…子離れ出来ない親程見苦しいものは無いな。」
小さな呟きは、襲い来るボーガンから放たれる矢達の音に掻き消された。
「さっきも彼の口からあったように、もう彼はオレ達の仲間なので…いいですよね?」
「ならぬ。」
父親がその片手を上げ、後ろに控えていた警備員達が各々武器を構える。
「そいつを諦めろ、今なら通報せずに見逃してやるぞ。」
「ひゅ〜…ねつれつぅ〜。」
口笛を吹き揶揄う様に、歯を見せて彼は返事をする。
「駄目だな。」
ノイに抱えられていたサナの目が見開かれた。
「アイツがオレ達を選んだのなら、船を用意したオレがそれに応えなきゃあかんでしょ。」
彼の上げれていた片手が前へと動かされた瞬間、警備員が一斉に海賊達へ襲い掛かる。
「親父さんなら、息子の晴れ姿見送ってくれよ。」
いつから引き抜かれていたのか、サーベルが鞘から引き抜かれ、横一線警備員達を薙ぎ倒す。
それを見てすぐに父親は戦力にならない使用人へ警察への通報を指示、そして次に海賊達へ差し向ける警備員の準備へと声を上げる。
船長とノイ、そしてサナはその場から一気に駆け出し逃げ始めた。
「…子離れ出来ない親程見苦しいものは無いな。」
小さな呟きは、襲い来るボーガンから放たれる矢達の音に掻き消された。