第5章

「はい、入島手続きが済みました。」
無感情な声でロワイ島の関所を通された一行は、無事に島へと辿り着く。
港は閑散としていて、海賊達の船のみ船着き場に浮いていた、
「…あたし、関所なんて初めて知りました。」
船の舵を握っているメソドの所まで来て、マツリは彼に話しかける。
「ここは法が厳しい所だからな、他にも文明が発展している島、外部との親交を極端にしていない島…置いてある所は少なくは無い。」
マツリが住んでいた海域は比較的治安が良かったから置いてある必要性が無かったんじゃないか、とメソドに推測され、少女は膝を打つ。
「確かに…目視だけで来る者拒まずの島でした。」
「こういう所ではよそ者は金蔓として見られるか、厄介者として見られるかどっちかだから、あんまり彷徨かない方が安心だ。」
碇を降ろすから手伝ってくれ、と船医に言われマツリは頷いてから動き出した。
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