第5章
それからは「目の毒だから。」と言われその場を離れたマツリは、一人避難していたガーナの元へ行くことにした。
「………いつかは、ああいうことに参加しないといけないかな。」
今は新人である事、若者であるという事で気を遣って貰ったものの、それでもいつかは正面から立ち向かう事になるのだろうと、マツリは一つ息を吐く。
「心の準備はしておいた方がいいよね。」
「何も今それを考えなくてもいいだろ。」
お前きっと向いてない、と上から苦い言葉が降ってきて無言で額をぐりぐり刺激する。
「またケンカ?」
むっつりとした表情のまま部屋に入ってきたマツリにガーナはのんびりと聞く。
「うん…つまらないことだけどね。」
「ふーん、じゃああそぼうよ!」
目の前に広げられたおもちゃの数々に、皆が戦っている間も彼女は一人遊び続けていた事が伝わり、少女はこのくらいの図太い精神が欲しいなぁと羨ましくなる。
「だいじょうぶだよ。」
どれがいいかなとおもちゃを吟味しながら、マツリの胸中を読む様に彼女は告げた。
「え?」
「どうせすぐおわるから。」
その言葉にどれだけの信頼を彼等に寄せているのか、おもちゃの数と共に理解出来た気がしてマツリは「うん。」とガーナに勧められるまま共にゲームを始める。
程なくするとメソドから「終わったから二人とも来て欲しい。」と船の伝声管に伝って二人に連絡が来た。