第4章


狭い入り口を抜け、マツリ達三人は中へと到着する。
「…暗いわね、マツリちゃん灯りは持ってきた?」
「幻灯石ですね、お待ち下さい。」
持ってきた透明な容器に前に船長がくれたその石を入れると、仄かにそれが輝く。
暗かった周りの景色も光が届く場所には、暗闇とは違う色がもたらされる。
「地面は…土じゃねーな。」
最後に降り立ったメソドが地面に触れるとコンコンと硬い音が響く。
「床ね~これは…明らかに人の手が入った建築物ね。」
マツリちゃんお手柄よ、とサナが微笑むも向けられたマツリの表情はあまり晴れやかなものとは言えない。
「いえ、目的の物があるかどうかは別ですから…、一日時間があるなら問題無いけれど、なかなか広いので。」
「具体的には?」
「この島の地下一帯の広さ、ですかね。」
周りが海に囲われているからか、海の地下にまでは通路が伸びている事は無く、この島だけに敷かれているもので、マツリが昨日隈無く見続けたのはそれが原因だった。
「広いわね~…倉庫がありそうな場所まで把握出来ているの?」
「それは地上では分かりにくくて…倉庫っぽいものらしい箇所は分散していて、虱潰しに行くしかなさそうです。」
恐らく石であろうその床に、とんとんと今一度靴を履き直してマツリは道の先にある暗闇を見つめた。
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