第4章
別の場所で捜索をしていたサナとノイ、メソドとも落ち合い、一度船に帰って話し合おうということになった。
「わたし達の見た所、特に何の変哲の無い島だったわよ。」
サナの報告にノイは頷き、メソドは更に言葉を重ねる。
「ある程度動物や昆虫類は居ましたが…人も居ないし、ただの無人島だと言うのがオレ達の見解です。」
うんうん、と船長が満足そうに頷き「では、船長達は?」とメソドが聞き「それはあたしから…。」とおそるおそるといった様子でマツリが手を上げた。
「全てを見た訳じゃ無いのですが…この島、地下通路があるみたいで。」
この一言で確実に周囲の空気がこれまでのものとは一変する。
「…詳しく教えて、マツリちゃん。」
言葉こそ柔らかいものだが、その目線は真剣そのもので、サナ以外からも注がれる目線に緊張を感じながらも、マツリは自分とミツメが見た世界を彼等に教えようと懸命に口を動かす。
「人の行き来は全く無く、寧ろ古びた通路だったのですが…あれは間違いなく人の作った道だと思います。」
「その道はどこに続いているかは見えたかい?」
メソドに聞かれ答えようとしたが、「いいや。」とここからは代わるとでも言うように船長が代わりに声を出す。
「この島の中だけにあるらしい…何の為に作られた物なのか、分からんが…見てみる価値はあるだろうな。」
にやりと笑うその表情は、まさしく悪戯好きの子どもそのものの様だった。