第四章
「お見舞いに来てくれてありがとう。」
後日、朝学校に復帰した林檎があたし達に向けてお礼を言ってくれた。内心あの時起きていなかったのか一瞬不安に思ったけれど、次の一言で大丈夫だった事を知る。
「ごめんね、寝ている時に来てくれたんだよね…?」
お母さんに聞いたんだ、と教えてくれてあたしは内心ほっとした。
「ううん、林檎が元気になって良かったよ。」
「本当。」
芽衣とあたしが口々に良かった、おかえりと言うと少し恥ずかしそうにはにかむ。その様子に本当に何とも無くなったんだな…といつもの日常が来た事にあたしは実感する。
…まぁ、今日から少しその日常が変わる訳ですが。
「三絵ちゃん今日から習い事始めるの?」
学校が終わった後、部活へ行く林檎と芽衣に分かれる時にそういうと、林檎は目を輝かせ、反対に芽衣は目を曇らせた。
「うん、知り合いの紹介で…。」
「そうなんだ…頑張ってきてね。」
にこにことあたしを送り出す林檎の言葉を聞いた後、暗い雰囲気を纏う芽衣に小さく呟かれる。
「………無理し過ぎないでよ。」
「あ、はい。」
林檎のいる前だったので、それ以外は何も言われなかったけれど、他にも言いたい事があるのだろうなぁと察してしまう。
(まぁでも、自分で決めたから。)
二人と別れ、あたしは先を急ぐ。
「来てくれると思ったよ。」
一度荷物を置くのと、雲流丸と合流する為に家に戻ってから、あたしは芽衣の家に来た…目的は勿論。
「あたしに…幽霊の事、教えて下さい。」
聡士さんが正直どう思っているのか、何て…あたしには分からない、けれど。
「雲流丸を、成仏させてあげたいんです。」
その為には藁にも縋らせて貰う、その藁がたとえどんな先に繋がっていようとも。
あたしはもう、折れない。
「じゃあ、中に入って説明しようか。」
ごくりと唾を飲む。心配そうにこちらを見つめる雲流丸に、一度あたしは頷いてから。
霊媒師になる為の一歩を、踏み出した。
後日、朝学校に復帰した林檎があたし達に向けてお礼を言ってくれた。内心あの時起きていなかったのか一瞬不安に思ったけれど、次の一言で大丈夫だった事を知る。
「ごめんね、寝ている時に来てくれたんだよね…?」
お母さんに聞いたんだ、と教えてくれてあたしは内心ほっとした。
「ううん、林檎が元気になって良かったよ。」
「本当。」
芽衣とあたしが口々に良かった、おかえりと言うと少し恥ずかしそうにはにかむ。その様子に本当に何とも無くなったんだな…といつもの日常が来た事にあたしは実感する。
…まぁ、今日から少しその日常が変わる訳ですが。
「三絵ちゃん今日から習い事始めるの?」
学校が終わった後、部活へ行く林檎と芽衣に分かれる時にそういうと、林檎は目を輝かせ、反対に芽衣は目を曇らせた。
「うん、知り合いの紹介で…。」
「そうなんだ…頑張ってきてね。」
にこにことあたしを送り出す林檎の言葉を聞いた後、暗い雰囲気を纏う芽衣に小さく呟かれる。
「………無理し過ぎないでよ。」
「あ、はい。」
林檎のいる前だったので、それ以外は何も言われなかったけれど、他にも言いたい事があるのだろうなぁと察してしまう。
(まぁでも、自分で決めたから。)
二人と別れ、あたしは先を急ぐ。
「来てくれると思ったよ。」
一度荷物を置くのと、雲流丸と合流する為に家に戻ってから、あたしは芽衣の家に来た…目的は勿論。
「あたしに…幽霊の事、教えて下さい。」
聡士さんが正直どう思っているのか、何て…あたしには分からない、けれど。
「雲流丸を、成仏させてあげたいんです。」
その為には藁にも縋らせて貰う、その藁がたとえどんな先に繋がっていようとも。
あたしはもう、折れない。
「じゃあ、中に入って説明しようか。」
ごくりと唾を飲む。心配そうにこちらを見つめる雲流丸に、一度あたしは頷いてから。
霊媒師になる為の一歩を、踏み出した。
