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第四章


「ところで、産女。」

ふと、百目鬼が産女を呼ぶ。
「何!?」
余程嬉しかったのか少し食い気味に返事をした。
「仲間は、もう少し増えそうか?」
「何だ、そんな事か…。」
すぐに産女のテンションは急降下したが、睨まれて渋々答える。
「まあまあかな、いつの時代も人の内に蠢くものは変わらないから。」
「ふん。」
それを聞いて、百目鬼は少し満足げに、しかしどこか歪んだ笑みを零す。
「奴が目覚めるまで、それなりに蓄えはあった方がいい。」
「やっぱり?」
「…同胞を増やし、力を得る為に、狩らなければ。」
産女の持ってきた袋を担ぎ、百目鬼は洞窟の奥へと歩み始める。
それを産女が追い、袋の持っていない片腕を抱きしめる。

「だいじょーぶ、ちゃんと集めてきてくれてるよ。」
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