第三章


部活がある林檎と別れて芽衣とあたしはとりあえず、雲流丸も連れて行った方がいいと考えていったんあたしの家に行くことにした。

「じゃあ、ごめんだけどそこで待ってて。」
「うん。」
学校のやり取り以降も芽衣は口数が異様に少なく、こっちはとても調子が狂う。
(せめて、昨日の怒っていた勢いが今日まで続いてくれれば、こんな気まずい感じにならないのに…。)
気分が重いままで、あたしは今日は家にいる母さんに芽衣の家に行くことを説明すると、門限を守ることを話され、簡単な菓子を手渡された。
「こんな簡単なものしか渡せなくて申し訳ないけど…。」
親御さんに会ったら、よろしく伝えてくれとお願いをされた。

二階にいる雲流丸を呼びに行って、ランドセルを部屋に置き、必要最低限の荷物を持って、家を出た。
「………。」
「………。」
『………。』
やっぱり道中も空気が重い。
雲流丸が余程気に食わないのか、芽衣は完全にそっぽを向いているし、雲流丸はそれを察してか、視線に落ち着きがない。顔もなんだか青ざめているように見える。
(あんなことがあったし、むしろ堂々としてろっていう方が難しいとは思うけど…。)
早くこの時が過ぎ去ってくれと願わずにはいられなかった。

「…着いた。」
時間的には十五分くらいのはずなのに気持ち的には三十分くらいたったような感じだった。
「相変わらず、素敵な豪邸ですね。」
「うるさい。」
ボケが一蹴されたところで、玄関に見覚えのある人…いや、幽霊が視えた。

『おー嬢ちゃんとお侍さん、昨日ぶり。』
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