何も知らない僕たちは
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その後、ゲゲゲハウスには常にノートと鉛筆一本が装備されるようになった。カヲルと会話をする手段なので話したことが全てここに書かれている
そして今日も二人は肩を近づけて机に向かっている
妖怪ね。本当にいるなんて…
信じてる人には見える、けどそうじゃない人は見えない。そういう存在だから
じゃあ死んだら天国に行ったり地獄に行ったりするのは?あるいは輪廻があるんですか?
それは僕等の管轄外だから分からないけど地獄はあるよ。エンマ大王に時々会いに行ったりするんだ
すごい…
大体は叱責だけど
カヲルは時々笑みを漏らすようになった。鬼太郎はこの上なく満足した気持ちになる
というか敬語なんて使わなくていいよ
でも私よりずっと生きてるじゃないですか
僕は年上ってより友達として見てくれる方がうれしいけどなぁ
…分かった
「キャア!何してんのよ!!///」
「あ、猫娘」
訪れた猫娘が二人の変な雰囲気に悲鳴を上げる。勿論気が付いたのは鬼太郎だけだ
「近すぎじゃないのよ!!いつの間にそんな関係になったの!?というか貴方まだ帰れてないの!?」
混乱状態の猫娘が目をぐるぐる回しながら#NAME1#に流れるようにべらべら喋り出すが彼女はこてんと首をかしげるだけだった
「だめだよ、そんなに早口じゃあ#NAME1#ちゃんも言葉が読めないよ」
「こ、言葉を読む?どういうこと?」
「カヲルちゃんは難聴なんだ。それにもう亡くなってるらしいから元居た家には帰れないよ」
「え?つまり、これは生霊ってこと?」
「そういうことになるのぉ」
「嘘!だって実体が…しかも死んでもなお生きてた状態を保ってるなんて聞いたことないわ」
試しに彼女のほっぺを触るが霊独特の透明度はなく、ぽよぽよとした反射が返ってくるだけだった
「………
柔らか…」
その感触にはまったらしく猫娘はしばらくその感触を堪能していた
「しかし、しばらくはここにいさせてもよいが、
長続きさせるわけにもいかん」
「そうですね…」
「一番妥当なのは早めに成仏させることじゃな」
「…」
「人は死んだら魂となり実態は無くなる。その節理に逆らってはいかん」
「…でも、せっかくカヲルちゃんはようやく人として歩み始めたんです。僕は妨げたくありません」
「鬼太郎、気持ちはわかるが責任を持てないことで生半可な事を言われては困る」
「責任…?」
「カヲルが死んでもなお実体を残していることは別の危険を示唆している」
「どういう意味です?」
「妖怪はどうして生まれると思う?」
「えっと…理由は様々だと思いますけど、前世での恨みがそのまま生霊としてこの世に残ってしまっている者がほとんどだと思います」
「それを強く動かしているのは未練。ここに留まっている以上カヲルにも何等かの未練があるはずじゃ。カヲルになんの思いがあるのかはわしにも分からん。
じゃが、あまりいい理由でないことは察しがつく。
このままではカヲルは負の感情に身を任せた妖怪になってしまうぞ」
「…」
「それは……僕はどちらにしろカヲルちゃんを殺さなくてはならないということですか?」
「怖いんです」
鬼太郎は震える拳を必死で押さえ、絞り出すように声を上げる
「…………
成仏とは必ずしも霊を傷つけることではない。自身が何をしたかったのか、どうすればいいのかお互いに協力し合うことでもある。
もし、自分の手で失うことを恐れているなら他の人に任せるのも手じゃ。お前にカヲルの全ての責任はないからな。
酷に聞こえるかもしれんがのぉ、これらは全て事実じゃ」
「…分かってます。
他の人に任せるなんてことさせません」
はあ、と頭の中でため息をつきながら答えた
その後、なんとか穏便にカヲルの未練を聞き出そうとしようにも察しのいいカヲルにはすぐに不審がられてしまった。結局折れて真実を話してしまう
どうしてそんな周りくどい聞き方したの?話してくれれば言ったのに
怖くないの?
なにが?
自分がそのうち消えてしまう存在だってこと?それとも恐ろしい妖怪になってしまうってこと?
どっちもだよ
そうだな…ぶっちゃけどっちもどっちって感じかな。事実を見て感情移入しない癖はもうついてるから
それを聞いてそうだとも思いつつ、ここではそんなこと気にしなくてもいいのに、けど怖がって欲しいわけでもないんだよな、と葛藤が生まれる。次の言葉が見つからなかった
むしろ良かったよ
どうして?
だってもしかしたら私のこと邪魔だって思ってるのかなってずっと悩んでて…
最近眉間にしわがあったし、何か思い詰めてたみたいだったから
カヲルを見るとブラシのように奇麗なまつ毛が俯いているせいで伏せていた。直感だが泣きそうな顔をしていると思った。
自分のことをそんなに糧にして生きていたのかと嬉しくなったと同時にやるせなさが込み上げてくる。最終的には鬼太郎も泣きそうな顔になる
『本当に君は…………………
どうしてそんなところまで自分に負があると思っているんだ』
馬鹿だね
馬鹿?
僕達二人とも
私はともかく鬼太郎まで?
その続きは書かなかった。あとはいつものようにギュっと体を抱き留めた。泣いてもいいんだよという意味を込めて背中をさすってあげる。
『その日は…いつか、本当に来るんだよね?
あれ?僕が慰めてるはずなのに、僕の方がこんなにとめどなく落ちてくるなんて。
へんなの。はは』
そして今日も二人は肩を近づけて机に向かっている
妖怪ね。本当にいるなんて…
信じてる人には見える、けどそうじゃない人は見えない。そういう存在だから
じゃあ死んだら天国に行ったり地獄に行ったりするのは?あるいは輪廻があるんですか?
それは僕等の管轄外だから分からないけど地獄はあるよ。エンマ大王に時々会いに行ったりするんだ
すごい…
大体は叱責だけど
カヲルは時々笑みを漏らすようになった。鬼太郎はこの上なく満足した気持ちになる
というか敬語なんて使わなくていいよ
でも私よりずっと生きてるじゃないですか
僕は年上ってより友達として見てくれる方がうれしいけどなぁ
…分かった
「キャア!何してんのよ!!///」
「あ、猫娘」
訪れた猫娘が二人の変な雰囲気に悲鳴を上げる。勿論気が付いたのは鬼太郎だけだ
「近すぎじゃないのよ!!いつの間にそんな関係になったの!?というか貴方まだ帰れてないの!?」
混乱状態の猫娘が目をぐるぐる回しながら#NAME1#に流れるようにべらべら喋り出すが彼女はこてんと首をかしげるだけだった
「だめだよ、そんなに早口じゃあ#NAME1#ちゃんも言葉が読めないよ」
「こ、言葉を読む?どういうこと?」
「カヲルちゃんは難聴なんだ。それにもう亡くなってるらしいから元居た家には帰れないよ」
「え?つまり、これは生霊ってこと?」
「そういうことになるのぉ」
「嘘!だって実体が…しかも死んでもなお生きてた状態を保ってるなんて聞いたことないわ」
試しに彼女のほっぺを触るが霊独特の透明度はなく、ぽよぽよとした反射が返ってくるだけだった
「………
柔らか…」
その感触にはまったらしく猫娘はしばらくその感触を堪能していた
「しかし、しばらくはここにいさせてもよいが、
長続きさせるわけにもいかん」
「そうですね…」
「一番妥当なのは早めに成仏させることじゃな」
「…」
「人は死んだら魂となり実態は無くなる。その節理に逆らってはいかん」
「…でも、せっかくカヲルちゃんはようやく人として歩み始めたんです。僕は妨げたくありません」
「鬼太郎、気持ちはわかるが責任を持てないことで生半可な事を言われては困る」
「責任…?」
「カヲルが死んでもなお実体を残していることは別の危険を示唆している」
「どういう意味です?」
「妖怪はどうして生まれると思う?」
「えっと…理由は様々だと思いますけど、前世での恨みがそのまま生霊としてこの世に残ってしまっている者がほとんどだと思います」
「それを強く動かしているのは未練。ここに留まっている以上カヲルにも何等かの未練があるはずじゃ。カヲルになんの思いがあるのかはわしにも分からん。
じゃが、あまりいい理由でないことは察しがつく。
このままではカヲルは負の感情に身を任せた妖怪になってしまうぞ」
「…」
「それは……僕はどちらにしろカヲルちゃんを殺さなくてはならないということですか?」
「怖いんです」
鬼太郎は震える拳を必死で押さえ、絞り出すように声を上げる
「…………
成仏とは必ずしも霊を傷つけることではない。自身が何をしたかったのか、どうすればいいのかお互いに協力し合うことでもある。
もし、自分の手で失うことを恐れているなら他の人に任せるのも手じゃ。お前にカヲルの全ての責任はないからな。
酷に聞こえるかもしれんがのぉ、これらは全て事実じゃ」
「…分かってます。
他の人に任せるなんてことさせません」
はあ、と頭の中でため息をつきながら答えた
その後、なんとか穏便にカヲルの未練を聞き出そうとしようにも察しのいいカヲルにはすぐに不審がられてしまった。結局折れて真実を話してしまう
どうしてそんな周りくどい聞き方したの?話してくれれば言ったのに
怖くないの?
なにが?
自分がそのうち消えてしまう存在だってこと?それとも恐ろしい妖怪になってしまうってこと?
どっちもだよ
そうだな…ぶっちゃけどっちもどっちって感じかな。事実を見て感情移入しない癖はもうついてるから
それを聞いてそうだとも思いつつ、ここではそんなこと気にしなくてもいいのに、けど怖がって欲しいわけでもないんだよな、と葛藤が生まれる。次の言葉が見つからなかった
むしろ良かったよ
どうして?
だってもしかしたら私のこと邪魔だって思ってるのかなってずっと悩んでて…
最近眉間にしわがあったし、何か思い詰めてたみたいだったから
カヲルを見るとブラシのように奇麗なまつ毛が俯いているせいで伏せていた。直感だが泣きそうな顔をしていると思った。
自分のことをそんなに糧にして生きていたのかと嬉しくなったと同時にやるせなさが込み上げてくる。最終的には鬼太郎も泣きそうな顔になる
『本当に君は…………………
どうしてそんなところまで自分に負があると思っているんだ』
馬鹿だね
馬鹿?
僕達二人とも
私はともかく鬼太郎まで?
その続きは書かなかった。あとはいつものようにギュっと体を抱き留めた。泣いてもいいんだよという意味を込めて背中をさすってあげる。
『その日は…いつか、本当に来るんだよね?
あれ?僕が慰めてるはずなのに、僕の方がこんなにとめどなく落ちてくるなんて。
へんなの。はは』
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