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私は何も発信しなかった。気が付かないのは普通の成り行きです
でも
それを伝えにここへ?どうするかは決まったのですか?
不甲斐なかったんだ。君を孤独にしてしまった
それは元々ですよ。貴方が気負うことではありません
いや、責任があるとかないとかそういうことじゃない。君にもほかの人と同等の幸福に生きる権利があると思ったから。
貴方はお人好しなんですね
よく言われます
けど分からなくはありません。私も名前も知らない猫に対して情が沸くんですもの
だから少し気になります。貴方はどうして私に情が沸くんですか?
「……」
君が人として魅力的だからかな
何処の辺りが?
強く自立しようとしているけど本当は誰かに縋りたいって思ってるところ
そんなことありません
それは君の中の理論でしょう?君はきっと甘え方も分からずに死んでしまった
誰かを頼るって恥ずかしいことじゃないよ。それは生きている限り誰もが持っていることだから
貴方も?
うん、僕も
それに良くも悪くも人のことが考えられる。自分を蔑むことは別問題だけど、君は想像以上に頑張って生きてきたんだね
私がしてきたことはただの形だけです
でもこうやって手紙まで書いてくれたのは流石に形だけとは思えない。本当は言いたくなかったのに
結局君もお人好しだってこと。またいなくなってるのはちょっとびっくりしたけどね
すみません、あの時は私が死んでるって分かっていたのでこのまま元の世界に戻ったらどうなるのか分からなくて気が引けたんです
そっか、少し遅かったけどそれが聞けて良かったよ
私、貴方の温もりが好きです
最期に撫でられたり抱き締められたことはもう遠い昔の話ですから。落ち着くんです、このまま退化してしまうのではないかって思うぐらいに。私のことをここまで労わってくれた人に会ったのは久しぶりです
あんな泣きたくなるくらい優しい視線を向けてくれたのは貴方が初めてです。
もしかしたら私も心のどこかでもう何処へにも行きたくないって思っていたのかもしれません。
すみません、厚かましいお願いなんですが
もう一度、してくれませんか?
うん
君は…[香]ちゃん?
少女は地面に文字を書く
ひらがなでカヲルと
貴方の名前は?
あ、ごめん。言ってなかったよね
鬼太郎
き?
き
そして
鬼太郎は怖がらせないようにそっと包み込むように抱き締める。死んで実体はないはずなのに触れ合える不思議と髪の匂いはしないのに肌の匂いはする不思議。ポテトスープみたいな赤ちゃんに似た香り。思わず頬ずりさせるともちもちしている。
ゆっくりと手を頭から背中まで滑らせ、それを繰り返す。髪の毛を手で撫でたときの気持ちよさと
寸止めした時に感じる規則正しく動く背中。ここに肺があるんだって気づかされる
こんなにも生を感じたのは初めてだ
「カヲルちゃん…」
抱きつきながら呟く
ああ、彼が自分の名前を呼んでいる。
声は聞こえないはずなのに髪や首元にかかる吐息からちゃんと分かる、言っている。全身で鬼太郎をかんじて脳内は自分のなまえでいっぱいになる
私の名前をこんなにも感じることができる日がくるなんて…
カヲルと鬼太郎の体は何故か体温が上昇する感覚に襲われる。
暑い…特に首回りが
互いにこの気持ちに名前を付けずにその時を過ごす
でも
それを伝えにここへ?どうするかは決まったのですか?
不甲斐なかったんだ。君を孤独にしてしまった
それは元々ですよ。貴方が気負うことではありません
いや、責任があるとかないとかそういうことじゃない。君にもほかの人と同等の幸福に生きる権利があると思ったから。
貴方はお人好しなんですね
よく言われます
けど分からなくはありません。私も名前も知らない猫に対して情が沸くんですもの
だから少し気になります。貴方はどうして私に情が沸くんですか?
「……」
君が人として魅力的だからかな
何処の辺りが?
強く自立しようとしているけど本当は誰かに縋りたいって思ってるところ
そんなことありません
それは君の中の理論でしょう?君はきっと甘え方も分からずに死んでしまった
誰かを頼るって恥ずかしいことじゃないよ。それは生きている限り誰もが持っていることだから
貴方も?
うん、僕も
それに良くも悪くも人のことが考えられる。自分を蔑むことは別問題だけど、君は想像以上に頑張って生きてきたんだね
私がしてきたことはただの形だけです
でもこうやって手紙まで書いてくれたのは流石に形だけとは思えない。本当は言いたくなかったのに
結局君もお人好しだってこと。またいなくなってるのはちょっとびっくりしたけどね
すみません、あの時は私が死んでるって分かっていたのでこのまま元の世界に戻ったらどうなるのか分からなくて気が引けたんです
そっか、少し遅かったけどそれが聞けて良かったよ
私、貴方の温もりが好きです
最期に撫でられたり抱き締められたことはもう遠い昔の話ですから。落ち着くんです、このまま退化してしまうのではないかって思うぐらいに。私のことをここまで労わってくれた人に会ったのは久しぶりです
あんな泣きたくなるくらい優しい視線を向けてくれたのは貴方が初めてです。
もしかしたら私も心のどこかでもう何処へにも行きたくないって思っていたのかもしれません。
すみません、厚かましいお願いなんですが
もう一度、してくれませんか?
うん
君は…[香]ちゃん?
少女は地面に文字を書く
ひらがなでカヲルと
貴方の名前は?
あ、ごめん。言ってなかったよね
鬼太郎
き?
き
そして
鬼太郎は怖がらせないようにそっと包み込むように抱き締める。死んで実体はないはずなのに触れ合える不思議と髪の匂いはしないのに肌の匂いはする不思議。ポテトスープみたいな赤ちゃんに似た香り。思わず頬ずりさせるともちもちしている。
ゆっくりと手を頭から背中まで滑らせ、それを繰り返す。髪の毛を手で撫でたときの気持ちよさと
寸止めした時に感じる規則正しく動く背中。ここに肺があるんだって気づかされる
こんなにも生を感じたのは初めてだ
「カヲルちゃん…」
抱きつきながら呟く
ああ、彼が自分の名前を呼んでいる。
声は聞こえないはずなのに髪や首元にかかる吐息からちゃんと分かる、言っている。全身で鬼太郎をかんじて脳内は自分のなまえでいっぱいになる
私の名前をこんなにも感じることができる日がくるなんて…
カヲルと鬼太郎の体は何故か体温が上昇する感覚に襲われる。
暑い…特に首回りが
互いにこの気持ちに名前を付けずにその時を過ごす
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