黄色い花の冠を君へ
名前
ノエラモンスター
ガスター博士に作られた娘
受動的な性格
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「わあ…」
ついにみんなと地上に出られた。その道は存在したのだ
私たちはフリスクと一緒にその太陽を見ていた
「あれが…太陽…?」
「すごい…漫画やアニメよりずっときれい!」
「こうしていつまでも眺めていたくなるね」
アズリエル、キャラ…見てる?私たちついにやれたんだよ。戦わずにできる道があったんだよ
「ええ、けどそろそろこれからのことを考えないとね」
「そうだね、諸君、我々は新たな一歩を踏み出した。それに当たって…フリスク、君には親善大使になってもらいたいんだ。いいかな?」
「え、僕が…?」
「確かに!適任だな!」
「じ、自信ないよ…僕子供だし…」
確かに子供のフリスクが大人や世界相手に渡り会えるかは危ういところだ。できることは少ないかもしれない…でも
「………フリスク、
私も私に慈愛をくれたフリスクがなってくれると嬉しい。けど決めるのは貴方。」
「ノエラ…
うん、みんな、僕できるだけのことはやってみるよ」
「ホントッ!フリスクなら絶対いい大使になれるよ!そして俺様は上手なマスコットキャラクターになるッ!
よし、ちょっと挨拶してくる!だいいちいんしょう大事!」
「あー…ってことは誰かが見張ってなきゃいけないってわけだな」
「ちょっ、二人とも」
「全く、みんな私を頼りにしすぎだ!」
「ま、待ってよアンダイン!」
「……………あー…私も行った方がいいのかな」
「…」
「ママ、怖い顔」
「こほん。おーい待ってくれ」
「ふふ。みんなせわしないわね」
いやこの状況ママが作ったんじゃん
「フリスク、貴方もこれからどうするの?地下に迷い込んだんだからきっと帰るべきおうちがあるんじゃないの?」
ママがそれを聞いて少しドキッとした。フリスクはニンゲン。本当だったら帰る場所も家族もいるはず…せっかく一緒にいれたのに離れるのはすこし辛い
「……ママがいい」
「え?」
「僕、ママとノエラと暮らしたい!」
「…………まあ…フリスク……
そうしたかったのなら初めから言ってくれればこうはならなかったのに…!
分かりました、私がちゃんと面倒見てあげます」
私たちは夕日の中笑いあった
「…ノエラ、話があるんだけどいい?」
「…?何?」
フリスクが私の顔を見ると心なしか赤くなったように見えた。どうしたんだろう
「さっきの話…その、僕の傍にいてくれないかな?」
何を言ってるのだろう。私はママと一緒に住んでるから彼がママと住むとなれば近くにいられるのは当たり前なのに…
疑問に思っているとあちら側が察して「今は分からなくてもいいよ」と言い、続ける
「僕は親善大使を任されたけど、実をいうとうまくいく気は全くしないんだ。僕は子供だし、国を動かしている大人たちにきっと相手されない…
ニンゲンは僕らが思っているより小賢しいんだ。利益を求める姿は僕らにとっては冷たい奴だと見えるかもしれないね
僕だけじゃきっと駄目だ。モンスターと一緒にいる姿を見ればニンゲンもきっと信用してくれるし、ノエラなら冷静な目を持ってると思ったから。二人ならうまく導けるんじゃないかなって…」
私は今、いい顔ができているだろうか…私にそんなことを任されていいのだろうか
私はモンスターの中でも一番ニンゲンに近い。だが、ニンゲンではない。寧ろ不完全な状態。じゃあ、私は何なのか、今までそれを無理に定義づけはしなかった。周りの人がそれをくれたから
けどもしニンゲンに子供がさらわれて化け物に変えられたと思われたら…
お父さんに作られた私は結局自分の真実を知ることはなかった。その仮定を押し付けられても文句を言える気がしない。じゃあ、何も言えない私はもう一度悲劇を味わわなくてはならない?最悪、再び二つの間にひびを入れることになるかもしれない。
そんなのいやだ。
”もう誰も消えないで欲しい”その気持ちはずっと持ち続けていた
「…私じゃなきゃ………ダメなの?」
私は怖がっていることをうまく隠しながら彼に聞いた
「……あのね、
それに何よりも…
君のことを愛してるからだよ」
「……え」
「一目惚れだったんだ。君と地上に帰れたらどれだけよかっただろうって…遺跡を出てからもそればかり考えてた…
けどね、やっぱり帰ってきたんだ。みんなと一緒がいいって」
「…?」
「君とこうやって夕日を見られるのも君への愛があったから。君にとってはおせっかいかもしれないけど、僕が君を守りたいし、色んなものを見せてあげたいんだ」
言っていることは分からなかったけどフリスクは震える私の手を握ってくれた
「…愛…か…」
私はただの器としてこの世に生まれて、時々バックアップされて生き物にされた。ただ一つ、私は感情の取得に苦労した。一度その経験をしなければ学習できなかったからだ。正直辛かった。自分だけが浮いているような気がしたことに、悲しみを知るには悲しみを経験しなければならないことに、アイだけが私に備わっていないことに。
けど、それら全てが今では懐かしく思える。確信が付いた。この人と一緒にいれば私は愛を知ることができる、そんな気がした。
夕日に照らされ、私に向けられたフリスクの瞳はかつて寝たきりの旧友と同じ熱を持っていた
「…昔は友達は愛を教えてくれたの。
貴方は私に、愛を教えてくれる?」
「うん…もちろん」
今はうまく笑えないけど、いつかそんな日が必ず来る。包まれた安心感で私たちの影は一つになる
※少し離れたところから涙ながらに見守るトリエルだった
「わが子よ…」
ーーーおまけ
「今日はニンゲンの偉い人に会うんでしょ、フリスク?」
「うん」
「だからそんな着慣れてない服着てるんだー」
「ちょっと動きずらい…」
「アンダインとパパが付き添いに行くんだよね?」
「うん、サンズも誘ったんだけど趣味じゃないってさ。ノエラも一緒に来てよ」
「もちろん」
車でその偉い人がいる建物まで飛ばす。そこはとても大きかった。限りを探すと首が痛くなりそうだ
「んがああ!なんだここは!!」
「大きいねフリスク」
「そうだね、ちょっと緊張してきちゃった…」
「大丈夫だよ。難しいことならパパに任せればいいんだし」
「こらこら…(苦笑)」
車を出るとカメラを持った大人たちがこちらに近寄ってきた。マスコミというらしい。何回もフラッシュをはたかれ目を開けることができない。しかし、この人達から出てきた言葉に耳を疑った
「ついにあの地下に追いやったモンスターたちを従えたんですね!」
「一体どんな手を使ったのですか!?」
「代表になることに御家族はどうおっしゃいましたか!?」
何を言っているのだろう。彼は二つの間の仲介人としてここにいるのに何故私たちを倒したことになっているのだろうか。彼のほうを見るとカメラと質問に囲まれ、どう返すのが正解なのか分からずに狼狽えていた。ここで下手な返事を返せば大げさにことが伝えられるだろう
はめられた
ニンゲンはこんな風に相手をいいように誘導するんだ。
私は大人のずる賢さと謀略に憤りを感じた
「フリスク…」
「ノエラ?…んむっ!?///」
一瞬時が止まったことを私は確認した
「…………これでも彼が私たちを侵略したと?
今は貴方たちには要はありません。予定が押してしまうので通してください。でなければ法的措置を取らせていただきます」
「お疲れ様二人とも。どうだった?」
「ただいまママ。とりあえず表面上の取り繕いはできたかな。フリスクもまだ小さいから本格的に仕事をするのは大人になってからって、それまでに勉強するみたいよ」
「……///」
「あら、フリスクどうしたの?」
「な、何でもない!ノエラちょっと…」
「あ…」
「とりあえず今日はありがとう。下手な騒ぎにならなくてよかったよ。それで…なんであの方法をとったの?」
「ごめん、私の中でそれ以上に良い方法が思いつかなくて…嫌だった?」
「そんなことない!けど……その気がないならあまりして欲しくないのも事実かなって…」
「どうして?やっぱり私が愛を知らないから?」
「…」
「…私はそれなりに頑張ってるつもりだよ。だってフリスクの隣にいるならそれに相応しい人でありたかったから…
私もただ守られてるだけじゃヤダ。フリスクに愛されてる人として貴方のことを侵害してくる人から守りたい。最後に言った言葉だって最近学習したんだ。これ言っておけばたいていの人は身を引くって(苦笑)」
「ノエラ…
やめてよ、これ以上僕を惚れさせないで!!!好きッ!!!!///」
「え~」
早々の入籍を考え始めたフリスクであった