黄色い花の冠を君へ
名前
ノエラモンスター
ガスター博士に作られた娘
受動的な性格
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「作戦1。シンプルにおねだりをしてみる!」
ただいま付き合っても進展のないキャラを落とす作戦会議中
「おねだりって…ママにしてるみたいになんか買ってーみたいなこと?」
「概念はあってるけど、今回はどちらかとスキンシップをお願いしてみたら?きっと言われ慣れてないから効くと思うよ」
ーーー
「キャラ…」
「んー」
『ポイントは確か物理的距離だったはず』
「もう付き合ってるんだし、キスしてもいいよね?」(傍にくっついて上目遣い)
「…………忙しい。今いいところなんだ。ゲームの腕を止めさせるな」
結局軽くあしらわれて終わった
ーーー
「あずー駄目だった」
「あらら、じゃあ作戦2。可愛い恰好する!」
「可愛い…?」
「ああ、デートとかに着ていくようなやつじゃなくって、普段着ないようなちょっと恥ずかしめな奴とか」
「それはつまりコスプレでは…?」
―――
「ただいまー」
「お、お帰り…」
「…………なんだその格好」
コンビニから帰ってきたキャラをバニーガールの姿でお出迎え。すごい足とか胸元がスース―する
「あずがこれ似合うって薦められたから…」
「…」
硬直してる…これは効果ありそう!
「な、何か言ってよ…見られてるだけじゃ凄い気まずいんだけど…///」
「…あいつあんな趣味あったのか……」
は?ようやく言ったと思ったらその言葉?
「後できつく言っとく。はあ、私以外の奴がここに来たらどうするつもりだったんだ…とにかく早く着替えて来い」
そろそろ泣いていいかな?←
ーーー
「なんか損した気分だよ。あそこまで恥ずかしいことしたのに…」
「僕も死にかけた…」
「ごめんね。なんかキャラの矛先が…なんて言ってた?」
「私のノエラに卑猥な恰好させるな。やっていいのは私だけだって」
「え?」
「それって独占欲?ってきいたらナイフ出された…」
「うわぁ…」
「でも逆に言えばまだチャンスあるってことだよ!こっちがめげずにいれば必ずキャラは本性を現すはず!」
「アズ…ある意味凄いね…」
「作戦3。嫉妬させる!」
「あ、塵はとっておくね」
「なんで!?(汗)」
というわけで私は旅行に来ている。勿論一人だ。数週間前に私はキャラに「しばらく温泉旅行に行ってくるから。」と伝えてある。その時はスマホをいじりながら「ん」としか返事していなかったけど後で聞いてなかったとか言わないかな…
しばらく後にアズリエルからキャラに「ノエラは最近知り合った男と一緒に行ったらしい」という偽の情報を流す。(今回はアズに余計な矛先が向かないように男はただの幻想)独占欲のキャラなら血相変えて来るだろうという算段
本当に来るのかな…?これまでの作戦をかわされた私は半ば疑ってる。もしかしたら旅行中には来なくて家に帰ったらお説教とかありそう、とか思いながら露天風呂に浸かっていた
「ふう…」
肩にパシャリと白く濁ったお湯をかけると普段の疲れがみるみる取れていく。疲労は形があるのだろうか、不思議だ。
「月が奇麗…」
キャラもここにいてくれたら…と少し寂しくなった。趣味じゃないかもしれないけれど絶対楽しくなるのに。これじゃあどっちが嫉妬させているのか、本末転倒だ。
しばらく堪能したからぼちぼち上がることにした。出された浴衣は素材がぱりぱりしていて普段ない肌の感覚
「………少し散歩でもしよう」
旅館は色々な所がライトアップされていて幻想的な雰囲気を醸し出す。なんだっけこれ、確か…鹿威しだっけ。威すって名前に書いてあるけど見た目は何とも可愛い。そうだ、キャラに写真送ろう。
カシャ
「うん。こんなもんか」
メッセージを送るとすぐに既読が付く。キャラは今何してるのかな?私のこと心配してるかな?怒ってるかな?その疑問は決して期待なんかじゃない。
「はあ、キャラのせいでせっかくの旅行も楽しめないよ…」
夕ご飯ができるまで部屋に戻ってテレビでも見よう
「え?」
「遅かったな」
ふすまを開けると気がかりだった張本人が畳に寝そべってテレビをつけてた
「え、キャラ、なんでここにいるの?」
「何か言いたいことは?」
「え」
「言いたいことは?」
テレビを消してこっちに体を向けたので割と真剣であることが分かる。
「………アズに聞いて来たの?」
「ああ」
「どう思ってたの?」
「は?」
「嫉妬してくれた?って聞いてるの!」
「…………それはお前が知ることではないだろう」
「は、なんでよ…」
なんでこんなに私はかわされてるの?付き合って、一緒に色々な楽しいことができると思ったのに…どうして付き合う前より苦しくなるの?
私、邪魔?
「キャラのせいじゃん…!私これでもキャラが好きで、好かれたくて、頑張ってアプローチしてたのに…キャラはそれを全部無反応で返した。きっと余計なんでしょ?鬱陶しいんでしょ?
もう私も辛いよ。
これは相談。もしキャラの愛を私にあげることが難しいなら……
もうこの縁は終わりにしよう」
「…………お前が泣いたのは久振りだな」
「え」
頬に手を当てると濡れていた。自分の欲を吐き出したら色々なものが込み上げてしまったのだろう
「その原因がお前に告白した私本人…か…笑えるな。言いたいことはそれだけか」
「…」
「そうか、ならこっちへ来い」
キャラが足を広げてその間をぽんぽんと叩く
「な、なんで?」
「もしお前に少しでも私を想う気があるのなら……な」
NOという選択肢は私にはなかった。そう、選んだのは自分だけどいざ間に座ると羞恥心で逃げ出したいという気持ちがじわじわと体を占領してくる
キャラの鼻息が私の濡れて隙間だらけの髪をすり抜けてうなじにかかる。こそばゆくてぞわぞわして変な気分になる
「んっ…///」
おかげで変な声も出た。そろそろ限界だったので離れようとすると前を腕でがっちりホールドされて逃げられない
「嫌なのか?」
「み、耳やめてッ…///」
自然と距離が近いせいでキャラが喋ると息が耳元にかかる。逃れようと体をくねらせる自分の姿が情けない
「キャラ…んッ」
「早く離して」と交渉をしようと振り向いたがそのまま唇を奪われる。体はもう既にこわばっているせいですぐに酸欠になってしまった。背中を右手でとんとんと叩くと離してくれた
「はっ…はっ…」
しばらく肩で息をしているとキャラが上から「こういうことだ」と言った
「な、何が」
「私は、……自分の気持ちを口に出すのが苦手らしい。もういい大人なのにとんだ子供じみた性格してる。口にしないと分からないと言うならそれは正しい。けれど、お前を本当に私の手に包むことが怖い。奇麗なお前を汚してしまうのを夢で何度も見続けた。お前を手に入れられたことは嬉しい。これも夢なんじゃないかと思うくらい。
だが私は他の人よりも欲が強い。離れてしまうくらいだったら、私が狂って閉じ込めてしまう前にこの関係のままいてくれればいいって思った」
そっか、だからここに来てくれたんだね。自分が失敗を犯したことを自覚していたから。私が他の人のところへ行ってしまうのが怖かったから。それを嫉妬というのだけれど。
キャラはずっとニンゲンが嫌いだった。私と出会ってその価値観が歪んでしまった。彼は一度も自分の幸せについて考えることがない
「…キャラ、私は貴方が私と一緒にいることで幸せになれるならそれでもいいと思ったから…OKしたんだよ。
私は分かってるよ。キャラが自分の価値観も重い愛も持ってるし、それは間違ってないってこと。それでも、私を選んでくれたんでしょ?」
「!」
「キャラ、それは汚しているんじゃないよ。私が貴方に惚れ込んで貴方に合う形になろうとしている証拠。私はそれも受け止める覚悟で貴方の傍にいるの」
そう言って私の首にぶら下がっているキャラとお揃いのハートのロケットを撫でた。I LOVE YOUはキャラだけの言葉じゃない
「ノエラ…」
顔が見えるように正面に座りなおして抱きしめる。もはやハグをしたのも久しぶりだったためそれだけで幸せになれる。自分でも思うがちょろい女だ