1_ Birthday to U

幼いタナカさんがキレてよく喧嘩してたっけ。
さて、土台のタルトが完成したので熱々のトフィーを注ぎ詰め・・・切ったバナナ3本分を並べまーす!!




「「「オ先ニ失礼シマース」」」

PCの入った専用バックを持つ狼、小さめリュックを背負った狼、セミハードタイプのギターケースを引っ掛けた3匹はビルを後にする。
誕生日ケーキのことで話題持ち切りみたい。


「もう仕上がったかな?」

「ちょっと味見したいよねェ〜」

「コラコラコラ。
食後ノオ楽シミニ取ットキナサイッテ」

前方の2匹はムッと口を尖らせる背後へ向いた。

「「ケチッ!!」」

「ア“?」


ログハウスの呼び鈴が鳴る。ドア越しにジャンケンさんが「アレ?Kamikazeサーン??」と言いつつ、もう1回・・・・・・応答なし。
諦めて家鍵を使って中へ。
踏み出すと空気を察知したのか「シー」の指を作った。2匹も習ってそろりそろりダイニングリビングを目指した。

オーウ、寝チャッテマスネ

夜勤だしね・・・・・・眼鏡外せばいいのにぃ

起こしちゃいけないって。ねえ?
どんな夢を見てるのかな? 嬉しそうニク」


覗き込む先で見える幸せな寝顔。まだ狼が3匹しか産まれてなかった幼き頃・・・ケーキを焼けたのは大人の博士だけ。
俺はキッチンから漂う小麦粉の香りが大好きだった。
椅子に上がってテーブルから顔を出す。


「はかせケーキ? やいたの?」

「そうだよ〜!」

「ロウソクいくつ? 5こ? 10とか!?」

「どうかな〜ロウソク何本かなぁ? あとの2匹が来てから刺すからね〜・・・・・・まず先に・・・カミカゼ、
今年もお誕生日おめでとう」

「ッうん! えとイチ〜ニ〜・・・あ、4歳になった!!!」



……a end.
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