1_ Birthday to U

「は〜い皆起きて〜!! 音楽鳴ってるでしょ〜」
「せんせーまぶしい!!!」
「カーテンぃやぁぁぁぁーーーッ!!!!」

第一声が泣き叫び声はすっかり慣れた。
俺のもうひとつの職場って都立十字こども病院そんなばしょ


「ただいま戻りました〜」ガチャン

挨拶したとこでそれぞれ出払ってるから誰もいないけどね。11時半過ぎだし。
靴を下駄箱へ入れて上段の壁に自身の車の鍵を引っかける。手洗いを済ませ、マイベットに突っ伏したいところ・・・・・・しかし2月9日 本日は5匹全員の誕生日で、食事担当の俺とタナカさん、毎年交代でケーキを作るのがお決まり。


「部屋に荷物置いたら爆睡してケーキ作りどころじゃないし、やっちゃうか!
バノフィーパイ食べたいなんて、ツアーでカフェで食べたのがよっぽど忘れられなかったのかな・・・・・・え〜材料が」

バノフィーパイ=キャラメルの様な菓子「トフィー」と果物のバナナを敷き詰めたUKイギリスのパイ。
以前 敢行した欧州ツアー。
束の間のオフ日に俺と年下組で街を回ったんだよね・・・・・・その入店した店で偶然に食べたのを2匹がめっちゃ気に入っててさ。
このお菓子の良いところ。それは練乳、バナナ、生クリーム、ビスケットっていう手に入りやすい材料で作れること。ただし無塩バターは例外。
本場じゃ缶タイプの練乳を缶丸ごと煮ってタフィーを作るらしいけど俺はフツーに小鍋で練乳コトコトしちゃう。
それではII型キッチン ダイニング側で調理開始。


「ビスケット、フードプロセッサーだと洗い物増えるから保存袋でいっかな! 麺棒で粉々に♪」


俺は結構、菓子作りが好き。
それは親にあたる人物の影響が大きいかも_____名前をJimmyジミー Hendrixヘンドリックス
生物学/生物工学の専門家であってMWAM5匹全員の産みの親。
呼び名はまんま『博士』で、モジャとした天然パーマが特徴で眼鏡を常に首へ下げていて。
お酒も煙草も嗜まずだったが甘いもの好きのカフェイン中毒者で、下手したらタイプライターよりもティーセットへ向かってた回数が多くて家事の邪魔だと、
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