Prologue_赤い屋根のすみか
実は趣味専用にアカウントをもう1個持ってる。
わぁ〜〜・・・1時間前のウィートの
_おぉぉ! 明後日の一般発売は絶対売並ぶ!!!
_無事ゲットですね♪
_ケモミミくん、開封動画up待ってま〜す
続々来るコメントに心が軽くなる。
そうだよ、現実が怖くたってボクには素を受け入れてもらえる居場所が
「ん?」
_ちゃんとレジに並べた時点で嘘乙ww
_配信してるしプロフの"人見知り"は絶対ないわ
アァァァァァァアァ"ァ"ァ"ァ"ーーーーッ!!!!
ゆ、勇気出して並んだのッッ!!
配信は3Dアバター使うから平気なのッッッ!!!!
・・・・・・嘘じゃないのに
「_____のたうち回って、お腹でも痛いの?」
「カミカゼ!? ぉ、おかえりニク」
180cmはあるだろう長身の狼は=Kamikaze Boy。我らがベース。
もうひとりの作詞作曲者。それとは別に〈救命医 (専門:小児)〉としての顔もある。
「ううん、お腹痛くないよ。ただ」
ちょいとしゃがんでボクの銀色スマートフォンをスクロール・・・実はカミカゼ、遠視で普段はメガネ姿。
見終わり「続けたいなら真に受けないの!」こうアドバイスして頭を撫でて自室を出て行く。
それと私服に着替えろと注意も残し・・・・・・そうね、まだ着替えてなかった。
「パーカーに〜、このジーンズでいいな。ょしッ!
ゲームするニク!!」
フードから毛先を出して軽く頭を振ったら、モニターに手をかけた。今日やるのは中学からずっとやってるFPSゲームの準上級モード。
与えられたミッションと並行し潜む32名の敵プレイヤーをひとりで倒し、そのエリアを掌握できたら1勝。その月間通算勝利数で競うのだ・・・・・・・・・けどそれじゃ味気ない・・・・・・よし、夕飯になる1時間半の時間縛りで!!!
「おリブが唐揚げを(俺達が)揚げてるのにすっ飛んで来ないとは。
タナカさん、こっち網に上げてもいいですか?」
「お、頼む・・・・・・本当ゲームが好きよなぁ〜」
II型キッチンで感心する舌が正面 右に出てる狼=Tokyo Tanaka。我らがボーカルで
親のいない学生であるボクにとっては保護者でもあって・・・・・・主菜も副菜も完成させたら、盛り付けはカミカゼに任せてエプロンを外し2階へ。
当然、ヘッドホンを着けてるせいで気がつかない。
パチン!!
「電気はつけろっていっつも言ってんだろッ!!!
オマエは目をもっと大事にしなさいって」
ゲーミングチェアを回れ右、正面向いたと思ったら片手で両ほっぺをムニュとされた・・・・・・見上げた先には怒り気味のタナパイ。完全に自分が悪いんだけど怖い。
「うぅッごごめんなしゃい。ちゅぎから付けるニク」
涙目のボクに「ご飯できた」と踵を返した。
返されたヘッドホンを机の上へ置いてモニターをチラ見して自室を後にする。
__エリア月間通算勝利数 KEMOMIMI 298勝+2第一位
「唐揚げ!!? じゃあ離れのジョニー呼んでくる!」
これはボク=ドラムス担当 Spear RibをはじめとするMAN WITH A MISSION の四季をつづった