Prologue_赤い屋根のすみか

我が家はログハウス。
だから玄関へ入った途端、木のいい香りがする。横長なのは地下ガレージと繋がってるから。
すぐ右側はダイニングキッチン&リビングで、冷蔵庫整理をしている狼が1匹さw舌が正面 右に出てるから我らがDJ サンちゃん=Santa Monica。

「おかえり〜! お、無事にゲームソフトをGETできたねェ〜〜よかったじゃんってコラッ!
手を洗って、私服に着替えて、それから!!!」

右手払われた・・・・・・ちょっとした出来心だったのに。
多分、というか絶対 大人としてのしっかり度はサンちゃんが断トツだと思う。(自室の散らかり具合を除いて)
洗面所の水の冷たさが少し辛い。

「タナパイは?」

「買い忘れたのあるから買ってくるって」

「そっか。もう1匹の方は?」

「今日はすでに10時間は篭ってるよねェ〜」


何それ怖・・・


ボクはそーっとコーラ缶をくすねると、着替えないで【離れ】に直行した。
1階左側 洗濯場と階段下のタナパイの自室も抜け、スリッパから離れ用におろした靴に履き替えて中庭へ。元々この家は別宅として構えたらしく坪が広い。
シンボルであるクスノキが青々としてる。


コンコンコン

「ジョニー、入っていい?」

OKイイヨ〜、オ帰リナサイ」

「ただいま。はい! 頼まれたやつ」


目を輝かせ「Thanks!!」と受け取る狼は、我らのボーカル・ギター兼作詞作曲者 Jean-Ken Johnny。
広報役としても動き回っている。そんなに食べたかったの苺大福。
長年使われず埃まみれだったこの離れ、彼の提案で編集室 兼 スタジオに生まれ変わった。
だからガラス張りの向こうはボク達の大切な楽器でいっぱい。

「Fruits大福ハヤッパリ苺デス。ン〜〜美味シイ!! ソウダ。リブ貴方今日、テスト日ヨネ?」


・・・大福でなんとか誤魔化せたと思ったのに。全員 英語圏生まれでも不得意な狼もいます・・・・・・み、見せたくないけど教わった身だしッ! ええもッ怒られてもいいニクッッ!!




母屋へと戻ってきた。
壁際に置いといたゲームソフト入りの紙袋を手にしてスリッパを鳴らす。
3階部分はドーマー(屋根の上にある突き出た小部屋)で、ジョニーの部屋。
2階は正面にルーフバルコニー。逆L字方向に手前カミカゼ、真ん中サンちゃん、奥がボクの部屋となってます。


・・・・・・まさか、ジョニーにテストの点褒められるなんて予想外でちょっと嬉しいニク

「お? もしや
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