4_ Searching for a mate

けれどね、頭を上げた千賀さんのがすっごく真剣だったから。
それにッき、僕の気持ち的に『受けたい』が怖いよりもずっと強いなら今回断るのはナシかなって」

「そっか。ならそれがきっと正解だ!」



3日後(月曜日)_____「セ、千賀さん!」

校門過ぎた辺りで呼び止められた黒髪ロングの少女は振り返って意外そうな表情をした。

「オオカ「この間のお誘いッ受けてみたい!」

「・・・・・・本当に? ぁ・・・ありがとう!!!」

千賀さんの深い深い一礼にリブちゃんはどう反応するのが当たり前か分からない。むしろ申し訳なくも感じてしまう。
でもまぁこれでクラリネットと打楽器パーカッションは決まった・・・・・・・・・しかし、必要な人数はそれぞれ金管とフルートの計4名。


「そうだ! これからオオカミ君のことどう呼べばいいかな? ずっとオオカミ君は変だしさ。皆「君」づけで呼んでる?」

「え? あぁ・・・・・・クラスメイトからはそうニク。せ、千賀さんは『千賀さん』でいいんだよね?」

「もちろん!」

こう返答した彼女は違和感に気づく。さっきからっていうか、金曜日もそうだったけど他者と目を合わせるの苦手なのかなって・・・・・・絶妙に視線を逸されるのだ。合ってるようで合ってない。
効果音があったらシュッバって感じ。

ドラムって・・・・・・バンドって・・・・・・アイコンタクトが大事なんじゃ・・・前に観た・・・・のと全く違う。あっちはオフィシャルなリブ君ってこと?

脳裏に浮かぶのはあるフェスの一幕。
いけないいけない、今は大事な話の真っ最中。そうだよ、最も肝心なことを話さなければ。


「ごめんね! アタシ、外部入学生だし中学は海外だったし・・・・・・誰か内部でフルート・ピッコロ担当の、いい人いない?」

「えぇと」




ピコン!と鳴るスマートフォンにバイブレーション。
呻きつつ伸ばされる少年の腕。どうやら寝起きらしい・・・・・・校内の自習室_____中学部生徒もよく使用するが、古びた2人掛けソファ一が置かれたこの角部屋だけは誰も手を出さない。それをいいことに、彼は中学部時代からずーっと独占中。
ネイルシールが貼られた中指もとい左手が手帳型ケースを掴む。差出人は気の知れた親友だった。


【放課後、会いたい( ´ ・ ω ・ ` )__ Spear Rib】


あー本気で困ってるやつだ。でもなぁ〜と考えてしまう。これはゲーム関連か授業関連のヘルプか否か・・・・・・前者だったら断りたいかも。まぁ今まで断ったこと0。
だってあの性格上、ね。心配だし。

「奢ってくれんなら、っと。ふあ〜~・・・・・・んー! !HRホームルーム行くかぁぁ」

唐突に始まったリブちゃんの重奏仲間探しは続く。







……a end…?
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