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第17章

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異界を掌中におさめた麗玲は機嫌よく戻ってきて、玉座に座っていた。
「ふふ、また一つ私のものになったわ 。なかなかいい調子ね」
そう呟いた時、神界へ残していった凰呀と魔矢、白羅が入ってきた。
「麗玲様」
入ってくるなり膝を着き、頭を垂れさせた三人を順に見やる。
「留守を御苦労様。ところで……、私達がいない間に侵入者がいたみたいね 。それに、綺羅とあの二人の姿がないようだけど」
そう声を掛けると、目の前に三人の肩が大きく揺れた。
「……何があったか。……詳しく話を聞きましょうか? 」
さっきまでよかった機嫌が急降下していくのを感じながら言えば、三人は視線を交わし合った後、代表するように凰呀が口を開いた。
「実は……」
彼が話すことを聞くうちにも、苛立ちが大きくなっていく。
気が付けば麗玲はその身の内の力を解放して、三人を吹き飛ばしていた。
「「ぐっ! 」」
「うっ! 」
倒れた三人にまだ怒りがおさまらず、玉座から立ち上がると近付いていった 。
「……あの二人を舞達に連れ戻されただけでなく、綺羅を失ったっていうのはどういうことかしら? 」
「申し訳ありません。光鈴の妙な力で我々が動けない間、止めたのですがどうしてもと一人で行ってしまって」
「妙な力? 」
「はい。……体力というより、生命そのものを吸い取られるような……」
魔矢、白羅の言葉に麗玲は溜息をついた。
「……それが光鈴の力よ。……治癒力だけだと思って舐めてかかるからよ」
「途中までは風使いも仕留めかかって順調だったのですが」
「光鈴の力にやられた間にそうなった訳ね」
そう言うと、麗玲は三人を見据えた。
「……とにかく、折角の機会を潰してくれた責任はとってもらうわ。……次からはあなた達が動きなさい。この件を消せるだけの動きでね」
「……では、私にお任せください」
麗玲にそう返したのは、魔矢だった。
「あなたが? 」
「はい。……策は練ってあります」
それを聞いて、麗玲は目を細めた。
「そう。……なら、やってみなさい」
「はい」
頭を下げて、魔矢は出て行く。
それを見て、麗玲は残った二人を見た 。
「……よかったわね。あなた達には少し猶予が出来たみたいよ」
「「…………」」
「今の内によく策を練っておくことね 」
そう声を掛ければ、凰呀と白羅は無言で退室していった。
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