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第5章

1
「そう……。それで私達は連れてこられたの……」
「うん」
現在の段階でわかっていることだけで話をすると、聖奈は溜め息をついた。
「信じられないけど、私達はその神界の神子の転生した姿で、あの人は敵なのよね?」
「……で花音は今、向こう側にいる……」
「……とにかく、あいつらに知られてしまった以上、力を取り戻してもらう必要があるな」
「力……か。私の力は対神族のもので……」
「私は浄化能力って言ってたけど、魔神族に通用するものなの?」
綾の言葉に星蓮が口を開いた。
「大丈夫よ。その能力自体が効かなくても、戦闘力はかなりあったから、その力を取り戻してもらうだけでも、自分の身を守ることはできるでしょうから」
「力を取り戻すっていうのは、俺達にも当てはまるな」
話を聞いていた火焔が言う。
「確かに俺と夜天以外の奴等も力を奪われたって言ってたな」
「それって、どんな状況で奪われたんだ?」
「……確か、水晶のようなものに入れていたけど」
夜天に大樹が答える。
「ということは、お前達の場合はその水晶を取り戻せばいいってことか?」
「多分ね」
莉鳳の言葉に水蓮がそう呟いた時、舞はふと身体を震わせた。
(何か来る……!?)
そう思ったのとほぼ同時に、光の街中を激しい爆発音と共に揺れが襲った。
2
屋敷を出て街の入口まで来たところで、舞達は魔神族達に囲まれている気付いた。
その中には麗玲や天奏、封魔、風夜、刹那、星夢の姿もあったが、花音の姿はなかった。
(先輩がいない……)
そんなことを思っていた舞の耳に夜天の声が聞こえてきた。
「……これはまた随分と大所帯だな。花音とまだ一度も姿を見せてない雷牙の二人はいないみたいだが、来てない訳じゃないだろ?」
「……ふふ、二人は別働隊よ。……何をしているのかまでは、話すつもりはないけどね」
そう言って笑みを浮かべた麗玲に、嫌な予感がした。
「……それで今日は一体何をしにきたんだ?逃げられた神子をもう一度捕まえにでも来たのか?」
飛影が低い声で聞くと、天奏が笑った。
「もうそんな回りくどいことはしないわ。……邪魔者は纏めて片付けることにしたの」
その言葉と同時に魔神族達が全員構えたのがわかった。
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