軍服を着た少年が足早に一つの部屋に入る。

そこには研究者のような人物が数人いて、彼等の前には何台ものモニターがあった。


「今日はどうなっている？」

「今日もいつもと変わりませんよ。いつも通り、《ルーンフェルク》からの反応ばかりです」


言いながら、研究者の一人がモニターを操作し、一つの映像を大きくする。


「反応があるのは、いつも同じ場所と毎回違う場所。……固定しているのが入口、変化しているのが出口ですかね 」

「一体、此処で何が起きているんですか？」

「……それを調べるのが仕事だ」


そう返して、少年はモニターに向けていた視線を研究者へ戻す。


「此処の座標を出したら、俺に知らせてくれ。直接調べに行く」

「わかりました」


研究者が頷くのを確認し、少年は踵を返した。