第1部
《1》
「っ……!」
飛び起きてそこが自分の部屋だと気付き、朱里はほっと息をついた。
ベッド横の机にある時計には【5:30】という時刻と日曜日であるということが表示されていた。
学校が休みなのだから、もう一度寝ることもできたのだが、そんな気にはなれなくてもう起きてしまおうと着替えを済ませる。
下へと降りてリビングへと入ると、そこには両親の姿があった。
「あら?もう起きたの?」
「今日は休みだろう。何処か出かけるのか?」
「ううん。ただ目が覚めちゃっただけ 」
そう答えると、朱里は既に身支度を済ませ、自分達こそ出かけて行きそうな両親を見た。
「お父さんもお母さんも今日は休みじゃなかったの?」
「……まぁ、そうだったんだが」
「ちょっと気になることがあってね。それに、今日如月さんも研究所に来るっていうから」
母の言葉に、朱里は夢のことを思い出した。
「それって、優奈も?」
「多分、つれてくるんじゃないかな」
「じゃあ、私も行っていい?」
そう聞くと、父は首を横に振った。
「駄目だ。……本当なら、如月さん達も駄目なんだが、あの人達は被害者だという立場をおしだして聞いてくれないから仕方ない」
「でも、あなたは絶対に駄目よ。今日はなんだか嫌な予感がするの」
「っ!」
それを聞いた瞬間、再び夢の内容を思い出し、妙な胸騒ぎがした。
《2》
仕事へ行った両親を見送って数時間、嫌な予感が段々と大きくなってくるのを感じ、朱里は気分転換しようと出掛けることにした。
普段よく行く本屋や雑貨店を覗き、更に立ち寄ったカフェで時間をつぶす。
時間が【15:00】になるのを見て、そろそろ帰ろうかとカフェを出る。
ふと空を見上げると一瞬だが、そこが揺らいだように見えた。
「……今の……何?」
気になってその場所をじっと見つめる 。
だが、そこにはもういつもどおりの空があるだけだった。
《3》
「……ただいま」
まだ両親は帰ってきていないだろうと思いつつ、声を上げる。
やはりまだ帰ってはいないようで、声は返ってこない。
静寂が嫌でテレビをつけると、丁度何かの速報が入ったようだった。
「只今入ってきたニュースです。本日 、午後二時三十分頃、異世界研究所で ……」
聞こえてきた言葉に、視線を向ける。
だが、その続きの内容は頭に入ってこなかった。
(何?今のニュース……)
呆然としていたが我に返って、電話へと走る。
緊急時に掛けるよう聞いていた番号へ電話を掛けたが、それは通じなかった 。
「っ……!」
飛び起きてそこが自分の部屋だと気付き、朱里はほっと息をついた。
ベッド横の机にある時計には【5:30】という時刻と日曜日であるということが表示されていた。
学校が休みなのだから、もう一度寝ることもできたのだが、そんな気にはなれなくてもう起きてしまおうと着替えを済ませる。
下へと降りてリビングへと入ると、そこには両親の姿があった。
「あら?もう起きたの?」
「今日は休みだろう。何処か出かけるのか?」
「ううん。ただ目が覚めちゃっただけ 」
そう答えると、朱里は既に身支度を済ませ、自分達こそ出かけて行きそうな両親を見た。
「お父さんもお母さんも今日は休みじゃなかったの?」
「……まぁ、そうだったんだが」
「ちょっと気になることがあってね。それに、今日如月さんも研究所に来るっていうから」
母の言葉に、朱里は夢のことを思い出した。
「それって、優奈も?」
「多分、つれてくるんじゃないかな」
「じゃあ、私も行っていい?」
そう聞くと、父は首を横に振った。
「駄目だ。……本当なら、如月さん達も駄目なんだが、あの人達は被害者だという立場をおしだして聞いてくれないから仕方ない」
「でも、あなたは絶対に駄目よ。今日はなんだか嫌な予感がするの」
「っ!」
それを聞いた瞬間、再び夢の内容を思い出し、妙な胸騒ぎがした。
《2》
仕事へ行った両親を見送って数時間、嫌な予感が段々と大きくなってくるのを感じ、朱里は気分転換しようと出掛けることにした。
普段よく行く本屋や雑貨店を覗き、更に立ち寄ったカフェで時間をつぶす。
時間が【15:00】になるのを見て、そろそろ帰ろうかとカフェを出る。
ふと空を見上げると一瞬だが、そこが揺らいだように見えた。
「……今の……何?」
気になってその場所をじっと見つめる 。
だが、そこにはもういつもどおりの空があるだけだった。
《3》
「……ただいま」
まだ両親は帰ってきていないだろうと思いつつ、声を上げる。
やはりまだ帰ってはいないようで、声は返ってこない。
静寂が嫌でテレビをつけると、丁度何かの速報が入ったようだった。
「只今入ってきたニュースです。本日 、午後二時三十分頃、異世界研究所で ……」
聞こえてきた言葉に、視線を向ける。
だが、その続きの内容は頭に入ってこなかった。
(何?今のニュース……)
呆然としていたが我に返って、電話へと走る。
緊急時に掛けるよう聞いていた番号へ電話を掛けたが、それは通じなかった 。