レイドとフィアがサイガにもう一度依頼を出してから数日、再び彼がギルドを訪れていた。
「それで詳細の方はわかったのか？ 」
「ああ」
問い掛けたレイドにサイガは固い表情で頷き、それを見たフィアが口を開いた。
「なんか……あんまりよくない情報みたいだね」
「……まあな。前にお前達を探っている四つの組織の話をしただろ？ 」
「うん」
「ああ」
サイガに確認され、ユウナとコウは頷く。
「その詳細を調べているうちによくない情報と少し厄介なことになりそうな情報が入ったんだ。どっちから聞く？ 」
「……よくない情報二つじゃ、どっちでも変わらないと思うけど」
「なら、よくない方からな」
リリアが言うと、サイガは話し始めた 。
「どうやら、仮面の奴等、暗殺組織、異世界研究所の奴等は手を組むことにしたようだ。ただでさえ、それなりに規模だった組織が更に巨大化したみたいだな」
「って、手を組んでまで、何をしたいのよ？ 」
「それはこれから話す王族側の情報と関係あると思う」
「その王族側の情報っていうのは？ 」
促すようにコウが言う。
「ああ。……今いるシルファ王女は偽者で、本当の王女を探している。そして、その王女に目星がつき、受け入れの準備をしているってことだ」
「えっ！ええっ！？」
「偽者と本当の王女って、……ええっ ！？」
サイガが言ったことに、リリアとフィアは驚いたようだった。
「少なくとも、シルファ王女が偽者なのは確信している。王族は年に様々な検査を受けているからな。力の質だけではなく、血縁まで調べている。本当の王女に関しては確定していないが、今後保護に動くだろう。そして、それと逆に動くのが残りの三つということだ」
「……その三つの組織にとっては、本物の王女が王族に保護されるのは都合が悪いってことか」
話を聞いていたレイドが呟く。
「ああ。理由は其々違うけどな。……とこんなところか」
サイガが言って、溜息をつく。
「とにかく、今言った連中が大きく動き出せば色々荒れるだろうな。……気をつけろよ」
「ああ。色々調べてくれて助かった」
「ん……、また何かあれば言ってくれ 。じゃあな」
そう言うと、サイガは次の仕事があると出て行った。