果たされなかった約束
1
「……っ……」
誰かに呼ばれたような気がして、花音は飛び起きる。
周囲を見回してみたが、いつもの自室と変わった所はない。
一応、外の気配も伺ってみたが、誰かがいるような気配はなかった。
(……気の所為だったかな? )
そう思ったが何となく気になって、もう一度眠る気にはなれない。
(それに……、私のことを呼んだような気がしたあの声…… )
はっきりとは覚えていないが、何処かで聞いたことがある気がした。
2
「……何か作り過ぎちゃったかな」
もう一度寝ようとはしたもののやはり眠れず 、諦めた花音は特にすることもなかった為、朝食の準備をしていたのだが、時間があるからと色々作っていたら、今度は作り過ぎてしまったようだった。
そのことに一人苦笑していると、食堂の扉が開いた。
「今日は随分早いな」
「……何かあった日だったか」
そこから入ってきたのは、魔神族との戦いが終わってから、光の街に滞在するようになった封魔と白鬼だった。
「おはよう。二人も相変わらず早いね」
「俺達はもう習慣になってるからな」
言いながら、向かい合う椅子へ座る。
二人共、神界軍の所属ではなくなった為、軍服ではなく私服だ。
シンプルではあるが動きやすそうなもので、今も街を巡回してきたようだった。
「もう準備出来てるけど、先に食べます? 」
時計を見て、まだ光輝や蒼牙、紅牙、黄牙が起きてくるには早いのを確認して二人に聞く。
すると、封魔は首を横に振った。
「いや、まだいい」
「俺は喉が渇いたから、茶は欲しいな」
「……っ……」
誰かに呼ばれたような気がして、花音は飛び起きる。
周囲を見回してみたが、いつもの自室と変わった所はない。
一応、外の気配も伺ってみたが、誰かがいるような気配はなかった。
(……気の所為だったかな? )
そう思ったが何となく気になって、もう一度眠る気にはなれない。
(それに……、私のことを呼んだような気がしたあの声…… )
はっきりとは覚えていないが、何処かで聞いたことがある気がした。
2
「……何か作り過ぎちゃったかな」
もう一度寝ようとはしたもののやはり眠れず 、諦めた花音は特にすることもなかった為、朝食の準備をしていたのだが、時間があるからと色々作っていたら、今度は作り過ぎてしまったようだった。
そのことに一人苦笑していると、食堂の扉が開いた。
「今日は随分早いな」
「……何かあった日だったか」
そこから入ってきたのは、魔神族との戦いが終わってから、光の街に滞在するようになった封魔と白鬼だった。
「おはよう。二人も相変わらず早いね」
「俺達はもう習慣になってるからな」
言いながら、向かい合う椅子へ座る。
二人共、神界軍の所属ではなくなった為、軍服ではなく私服だ。
シンプルではあるが動きやすそうなもので、今も街を巡回してきたようだった。
「もう準備出来てるけど、先に食べます? 」
時計を見て、まだ光輝や蒼牙、紅牙、黄牙が起きてくるには早いのを確認して二人に聞く。
すると、封魔は首を横に振った。
「いや、まだいい」
「俺は喉が渇いたから、茶は欲しいな」
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