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第13章

1
「……上手くいくと思っていたのだけど、失敗だったみたいね」
「……成り代わらせる人物を間違えたってところかしら? 」
そんなことを話す麗玲と天奏の前には魔矢と二人の魔神族が膝をついていた 。
「……申し訳ございません」
「ですが、次は! 」
その言葉に麗玲は首を横に振る。
「……いいえ、すぐには同じ手は使えないでしょう。向こうにもあなた達の力はばれているから、警戒はしてるでしょうしね。……少し時間をおいてから、また仕掛けましょう」
そう答え、麗玲は三人とは違う方へ視線を向けた。
「次はどう攻めましょうか」
「麗玲様」
見回していた麗玲に、白衣を着た魔神族が声を掛けてくる。
「……何かしら? 」
「次の作戦の前に見てもらいたいものがあるのですが」
「見てほしいもの? 」
「はい。見れば、気に入っていただけるかと」
「……そう。なら、見せてもらいましょうか」
「では、研究所の方へ」
そう言った魔神族に、麗玲は玉座から立ち上がった。
2
研究所へと来た麗玲は、まずある資料を見ていた。
「これは? 」
「神界の研究者のデータですね。このデータを見て、私も同じことをしてみたんですよ」
「……へぇ」
言われて、麗玲は改めてそのデータを見る。
「まぁ、この研究には閻夜様も神界軍総長として関わっていたものです。実験に使われた者は正気を失っていたようですが、戦闘力は格段に上がっていたそうですよ。それで私もやってみたんです」
言いながら、何かの機械を操作して、モニターを映し出す。
麗玲が覗き込むとそこには暴れている二人の魔神族が映っていた。
「どうですか? 」
「そうね。……次はこの二人を使いましょう」
「では、最終調整をしておきます」
「ええ。……私が楽しめるようにちゃんとしておいてね」
そう答えて、麗玲は研究所を後にした 。
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