「……ふふふ、上手く馴染めてるじゃない」
水晶に映る様子を見ながら、麗玲は笑う。
「でも、よく誰も入れ替わってることに気付かないわね」
「それだけ余裕がないのか、それとも魔矢の部下が優秀なのか……」
天奏の言葉に返しながらも、水晶に映る様子を面白そうに見ていた麗玲は視線を上げる。
「ところで、閉じ込めている三人はどうしてるのかしら？ 」
「……内側から異空間を破ろうとしているようです。恐らく、時間の問題かと」
「……やはり、三人纏めては失敗だったようですね。今からでも、バラバラにしますか？ 」
「……いえ、破られたなら破られたで構わないわ」
閻夜ともう一人の魔神族に、麗玲はそう返した。
「でも、脱出させたら、戻ってしまうのでは？ 」
「だから、少し予定を変更するのよ。……ふふふ、最初に考えていたのより面白いことを思いついたわ」
「はい」
「作戦を少し変更するわ。伝えてくれるかしら？ 」
「はい」
呼ばれた魔矢が返事を返すのとほぼ同時に水晶に映る光景が変わる。
そこには膝を着き、息を整えている飛影、風夜、封魔が映っていた。
「……思っていたより、早く破られたわね」
「ふふ、新たな余興の始まりよ」
天奏の呟きに、麗玲はそう言い笑った 。