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第13章

1
『まぁ、奴等をあまり刺激しない為には事を大きくしない方がいいだろ。後数人にだけ事情を説明して、様子を見た方がいい。……後手には回ってしまうが、対処するのは奴等が動いてからだ』
どうすればいいかと相談を持ち掛けた時に煌破が言っていたことを思い出す 。
「数人だけって言ってたけど、誰に話す? 」
「……やっぱり、よく一緒に行動しそうな人がいいのかなぁ」
「それなら、風夜は風牙や火焔くん辺りかな」
「じゃあ、封魔の方は神蘭さんとか? 」
「あとは蒼魔さんと白鬼さんじゃないかな」
舞が言うと、花音がそう付け加えてくる。
自分達も見張るつもりだったが、今名前を挙げた者達にも伝えておくことにして、舞達は散った。
「封魔が!? 」
「入れ替わってる!? 」
こっそりと呼び出すことに成功した神蘭、白鬼、蒼魔に舞は話をする。
「それに風夜と飛影まで……」
「でも、一体いつの間に」
「……まぁ、昨日の夕方から夜の間しか考えられないな」
少し考えて、蒼魔が呟く。
「……それと、まだ入れ替わっているだけだと言うなら、警戒はしておいて 、下手に動かない方がいいだろうな。……少なくとも三人が見つかるまでは 」
蒼魔の言いたいことはわかったが、本当にそれでいいのかという迷いはあった。
2
「……こうして様子を見てはいるが、特に動きはないな」
「このまま、動かないってことはないと思うが、どういうつもりなのか読めないしな」
三人の様子を伺っていた舞達の近くに来た神蘭と白鬼が言う。
「……確かに何かを仕掛けてくるつもりではいるんだろうけど」
「……今の所、動く様子はないよね。むしろ……」
花音がそこで言葉を途切れさせる。
何故かと思ったが、それは風夜がこちらへ近付いてきたからだと気付いた。
「花音」
「……何? 」
話し掛けてきた風夜に、平静を装っている花音を見ながら、舞は少し考え込む。
(……一体、麗玲は何を仕掛けてきてるんだろ。このまま、三人に成り代わらせておいてどうしようっていうの? )
目的がわからないのが、段々と不気味に思えてくる。
その間も風夜と花音は話していたが、その様子はいつもの風夜と変わらず、偽者と疑ってはいるものの、それを忘れてしまいそうな仕草が多々あった。
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