第10章
1
「…………」
飛影が襲撃してくるようになってから少しして、天華は身体の調子があまりよくないように感じていた。
(疲れが溜まってきてるのかな?)
そんなことを思いながらも、神子達が集まる場所へ向かう。
天華が着いた時には、珍しく天奏の姿があった。
「天奏が来るなんて珍しいね」
「……まぁ、私だって偶には息抜きもしたいからね」
そう言って、入れたお茶を手渡してくれる。
それを受け取り、天華はまだ来ていない後の四人を待つことにした。
「…………」
「……華!……天華!!」
声と共に軽く身体を揺すられ、天華は我に返る。
いつの間にかまだ来ていなかった四人の姿があり、天華の顔を覗き込んでいた。
「大丈夫?ぼんやりしてたけど、疲れてるんじゃないの?」
「うん。顔色あんまりよくないよ」
「ちゃんと休んでる?」
聖羅、聖鈴、光麗に続け様に言われ、天華はここ最近のことを思い出す。
(……確かに最近あまりゆっくりとは休んでいないかも)
「ねぇ、天華も具合悪そうだし、情報交換はまた別の日にしない?」
「そうだね。今回は新しい情報は大してないし、また次の機会でもいいかも」
「じゃあ、解散!天華、ちゃんと休みなよ」
光鈴、聖鈴、光麗に言われ、天華は頷く。
気を使わせてしまったかとは思ったが、事実でもあった為、その言葉に甘えることにした。
2
自室に戻ってきてどの位休んだのかわからないが、天華は感じた気配に目を覚ます。
休んだ筈なのに、身体は疲れがとれるどころか、酷く重い。
それどころか熱でもあるのかと思うくらい身体中が熱く、頭痛もしていて、正直休む前より悪化しているようだった。
だが、目が覚める原因にもなった気配の持ち主を放っておく訳にもいかず、その気配のある場所へ向かう為、天華は動きだした。
気配を頼りに来た場所で天華は足を止める。
「……そろそろ出てきたら?」
声を出してから少しして、何処からともなく飛影が現れる。
「……今日こそ、その命を貰うぞ」
そう言って、飛影が身構える。
(このタイミングの悪い時に……)
内心で思いながらも、天華は気を引き締めて同じように構える。
身体は相変わらず怠かったが、不調であることを知られるのは避けたかった。
戦闘が始まってどの位の時間が経ったのか、不意に飛影が構えていた剣を下ろす。
「……今日はここまでだ」
「……えっ?」
息を切らせながら飛影に視線を向けると、彼は既に背を向けていた。
「……何で?」
引き上げるつもりらしい彼に思わず呟く。
それが聞こえたのか飛影は肩越しに振り返ってきた。
「今日は調子が悪そうだからな。……少し時間をやるから、その間に体調を整えておけ」
そう言って、姿を消してしまう。
その行動を少し不思議に思いはしたが、正直限界だった。
「………」
「あ、気が付いた?」
横から掛けられた声に天華が視線を向けると、光鈴の姿があった。
「光鈴?」
「大丈夫?天華、倒れてたところを運ばれてきたんだよ」
「倒れてた?」
言われてみれば、去っていく飛影を見送った後の記憶がなかった。
(……あの後、私倒れたんだ)
「……やっぱり、具合よくないみたいだね。……どうする?念の為、検査してみる?」
光鈴に問いかけられ、少し考える。
「……そうしようかな。……原因がわかった方がいいし、戦いが本格化する前に何とかしておきたいしね」
「うん。じゃあ、準備してくるね」
そう返して、光鈴が部屋を出ていく。
天華は彼女が戻ってくるまで少し休もうと目を閉じた。
「…………」
飛影が襲撃してくるようになってから少しして、天華は身体の調子があまりよくないように感じていた。
(疲れが溜まってきてるのかな?)
そんなことを思いながらも、神子達が集まる場所へ向かう。
天華が着いた時には、珍しく天奏の姿があった。
「天奏が来るなんて珍しいね」
「……まぁ、私だって偶には息抜きもしたいからね」
そう言って、入れたお茶を手渡してくれる。
それを受け取り、天華はまだ来ていない後の四人を待つことにした。
「…………」
「……華!……天華!!」
声と共に軽く身体を揺すられ、天華は我に返る。
いつの間にかまだ来ていなかった四人の姿があり、天華の顔を覗き込んでいた。
「大丈夫?ぼんやりしてたけど、疲れてるんじゃないの?」
「うん。顔色あんまりよくないよ」
「ちゃんと休んでる?」
聖羅、聖鈴、光麗に続け様に言われ、天華はここ最近のことを思い出す。
(……確かに最近あまりゆっくりとは休んでいないかも)
「ねぇ、天華も具合悪そうだし、情報交換はまた別の日にしない?」
「そうだね。今回は新しい情報は大してないし、また次の機会でもいいかも」
「じゃあ、解散!天華、ちゃんと休みなよ」
光鈴、聖鈴、光麗に言われ、天華は頷く。
気を使わせてしまったかとは思ったが、事実でもあった為、その言葉に甘えることにした。
2
自室に戻ってきてどの位休んだのかわからないが、天華は感じた気配に目を覚ます。
休んだ筈なのに、身体は疲れがとれるどころか、酷く重い。
それどころか熱でもあるのかと思うくらい身体中が熱く、頭痛もしていて、正直休む前より悪化しているようだった。
だが、目が覚める原因にもなった気配の持ち主を放っておく訳にもいかず、その気配のある場所へ向かう為、天華は動きだした。
気配を頼りに来た場所で天華は足を止める。
「……そろそろ出てきたら?」
声を出してから少しして、何処からともなく飛影が現れる。
「……今日こそ、その命を貰うぞ」
そう言って、飛影が身構える。
(このタイミングの悪い時に……)
内心で思いながらも、天華は気を引き締めて同じように構える。
身体は相変わらず怠かったが、不調であることを知られるのは避けたかった。
戦闘が始まってどの位の時間が経ったのか、不意に飛影が構えていた剣を下ろす。
「……今日はここまでだ」
「……えっ?」
息を切らせながら飛影に視線を向けると、彼は既に背を向けていた。
「……何で?」
引き上げるつもりらしい彼に思わず呟く。
それが聞こえたのか飛影は肩越しに振り返ってきた。
「今日は調子が悪そうだからな。……少し時間をやるから、その間に体調を整えておけ」
そう言って、姿を消してしまう。
その行動を少し不思議に思いはしたが、正直限界だった。
「………」
「あ、気が付いた?」
横から掛けられた声に天華が視線を向けると、光鈴の姿があった。
「光鈴?」
「大丈夫?天華、倒れてたところを運ばれてきたんだよ」
「倒れてた?」
言われてみれば、去っていく飛影を見送った後の記憶がなかった。
(……あの後、私倒れたんだ)
「……やっぱり、具合よくないみたいだね。……どうする?念の為、検査してみる?」
光鈴に問いかけられ、少し考える。
「……そうしようかな。……原因がわかった方がいいし、戦いが本格化する前に何とかしておきたいしね」
「うん。じゃあ、準備してくるね」
そう返して、光鈴が部屋を出ていく。
天華は彼女が戻ってくるまで少し休もうと目を閉じた。