繋がる絆
1
ドオオンッ
「!?」
水蓮達が戻ってきてから二日。
朝もまだ早い時間に聞こえてきた爆発音に、花音は飛び起きる。
周りを見ると、誰もが今の音で目を覚ましたようだった。
「何?今の音?」
「森の入口の方だ。……行くぞ」
「う、うん」
駆け出した風夜を追い掛けるように、花音も走り出す。
森の入口まで来ると、花音達に気付いた男がニヤリと笑った。
笑っている男の首には、今まで対峙してきた時にはなかった水色、茶、赤、紫、透明の珠がついた首飾りがある。
「その首飾りは……」
「これか?これはな……」
男が言ったかと思うと、その首飾りにあった透明の珠が光る。
咄嗟に反応した風夜が放った風の刃を相殺したのは、同じ風の刃だった。
「何っ!?」
「ふ、驚くのは、まだ早いぞ」
言葉が終わると同時に、首飾りの珠が次々と光りだす。
それに合わせて、水や火の弾が飛んできたり、地が割れ、陰が伸びてきたりした。
「この力って……!」
「そうだ。この珠の中には、奪ったお前達の力が込められている。それにより、私は風、火、水、地、陰の力を使えるようになったのだ。そして、更に……」
男が黒いオーラに包まれる。
「「「!!」」」
再び男の姿が見えた時、男の身体は頑丈そうな鎧に包まれていた。
「この鎧は、わざわざ私のために用意してくれた特注品。今までの力もパワーアップし、新たな力を手に入れた今、私は最強の存在となったのだ!」
そう言って、男は高笑いを始めた。
「さぁ、そろそろ始めようか?」
「!!気をつけろ!あいつが、元々持っていた力も増しているとしたら……」
少し経って笑うのを止めた男に風夜がそう言った時、男の姿が消える。
「……皆、上……」
星夢が声を上げた時には、既に男は花音達の頭上にいた。
「遅い……!」
ニヤリと笑っていた男が、振りかぶっていた拳を振り下ろす。
その時に起きた風圧で、花音達は吹っ飛ばされた。
「このっ……」
体勢を立て直した神蘭が男に向かって光弾を放つが、それは男の片手で止められてしまう。
「なっ!?」
「ふん!こんなもの、効かないな」
「龍牙、白夜!」
それを見て、封魔が声を上げ、それに頷いた二人と同時に姿を消す。
次に彼等が姿を現したのは、男のすぐ近くで、三人が同時に剣を振るう。
しかし、男に向かって振り下ろされた三本の剣は、男の寸前で何かに阻まれたように動きが止まった。
「ふん!」
「「「うわああぁ!」」」
男の周りで風が渦を巻いたかと思うと、一瞬で三人が弾き飛ばされる。
「封魔!龍牙!白夜!」
「ふははは、言っただろう。私は、最強の存在となったのだ!もはや、闘神だろうと敵ではない!はーはははっ」
そう言い、笑い続ける男に神蘭達が鋭い視線を向け、それを受けた男も嫌な笑みを浮かべる。
「さあ、どうする?お前達の仲間だった奴と同じように、自爆技でも使うか?それも、今の私に通用するかわからないがな」
(確かに今のままじゃ……)
男の言葉に、どうすればいいのか花音が考えていると、横に星夢が来るのがわかった。
「あの首飾り……」
男の首飾りを見ながら、星夢が口を開く。
「えっ?」
「あれを壊せば、あいつは水とかを操ることは出来なくなるはずよ」
「でも」
小声で続ける星夢に、花音も男の方を見ながら、小声で返す。
彼女の言うように、首飾りについている珠を壊してしまえば、男の戦闘力を削ぐことは出来るだろう。
だが、それを破壊するということが難しい気がした。
ドオオンッ
「!?」
水蓮達が戻ってきてから二日。
朝もまだ早い時間に聞こえてきた爆発音に、花音は飛び起きる。
周りを見ると、誰もが今の音で目を覚ましたようだった。
「何?今の音?」
「森の入口の方だ。……行くぞ」
「う、うん」
駆け出した風夜を追い掛けるように、花音も走り出す。
森の入口まで来ると、花音達に気付いた男がニヤリと笑った。
笑っている男の首には、今まで対峙してきた時にはなかった水色、茶、赤、紫、透明の珠がついた首飾りがある。
「その首飾りは……」
「これか?これはな……」
男が言ったかと思うと、その首飾りにあった透明の珠が光る。
咄嗟に反応した風夜が放った風の刃を相殺したのは、同じ風の刃だった。
「何っ!?」
「ふ、驚くのは、まだ早いぞ」
言葉が終わると同時に、首飾りの珠が次々と光りだす。
それに合わせて、水や火の弾が飛んできたり、地が割れ、陰が伸びてきたりした。
「この力って……!」
「そうだ。この珠の中には、奪ったお前達の力が込められている。それにより、私は風、火、水、地、陰の力を使えるようになったのだ。そして、更に……」
男が黒いオーラに包まれる。
「「「!!」」」
再び男の姿が見えた時、男の身体は頑丈そうな鎧に包まれていた。
「この鎧は、わざわざ私のために用意してくれた特注品。今までの力もパワーアップし、新たな力を手に入れた今、私は最強の存在となったのだ!」
そう言って、男は高笑いを始めた。
「さぁ、そろそろ始めようか?」
「!!気をつけろ!あいつが、元々持っていた力も増しているとしたら……」
少し経って笑うのを止めた男に風夜がそう言った時、男の姿が消える。
「……皆、上……」
星夢が声を上げた時には、既に男は花音達の頭上にいた。
「遅い……!」
ニヤリと笑っていた男が、振りかぶっていた拳を振り下ろす。
その時に起きた風圧で、花音達は吹っ飛ばされた。
「このっ……」
体勢を立て直した神蘭が男に向かって光弾を放つが、それは男の片手で止められてしまう。
「なっ!?」
「ふん!こんなもの、効かないな」
「龍牙、白夜!」
それを見て、封魔が声を上げ、それに頷いた二人と同時に姿を消す。
次に彼等が姿を現したのは、男のすぐ近くで、三人が同時に剣を振るう。
しかし、男に向かって振り下ろされた三本の剣は、男の寸前で何かに阻まれたように動きが止まった。
「ふん!」
「「「うわああぁ!」」」
男の周りで風が渦を巻いたかと思うと、一瞬で三人が弾き飛ばされる。
「封魔!龍牙!白夜!」
「ふははは、言っただろう。私は、最強の存在となったのだ!もはや、闘神だろうと敵ではない!はーはははっ」
そう言い、笑い続ける男に神蘭達が鋭い視線を向け、それを受けた男も嫌な笑みを浮かべる。
「さあ、どうする?お前達の仲間だった奴と同じように、自爆技でも使うか?それも、今の私に通用するかわからないがな」
(確かに今のままじゃ……)
男の言葉に、どうすればいいのか花音が考えていると、横に星夢が来るのがわかった。
「あの首飾り……」
男の首飾りを見ながら、星夢が口を開く。
「えっ?」
「あれを壊せば、あいつは水とかを操ることは出来なくなるはずよ」
「でも」
小声で続ける星夢に、花音も男の方を見ながら、小声で返す。
彼女の言うように、首飾りについている珠を壊してしまえば、男の戦闘力を削ぐことは出来るだろう。
だが、それを破壊するということが難しい気がした。