決断の刻
『先に行け』
『次もまた会えるよ』
そう言った風夜と光輝が、夜天と雷牙が消えていく。
彼等に花音の伸ばした手は届かなかった。
「っ!!」
飛び起きた花音は、其処が自分の部屋だと気付いて、息をはく。
(そうか。私、泣き疲れて寝ちゃってたんだ)
そう思っていると、戻ってくる前のことを思い出して、再び涙が出そうになる。
それを堪え、花音は自室を出た。
「あ、花音。もう大丈夫なの?」
リビングに行くと、母がいて優しい笑みを浮かべる。
「お帰り、花音」
休みだったのか、父の姿もあり、同じ様に笑みを浮かべていた。
「お母さん……、お父さん……」
「一体何があったのか、聞いてもいい?」
戻ってきた時にあれだけ取り乱していたのだ。
いつかは聞かれるだろうとは思っていたが、今とは思わなかった。
それでも色々なことがありすぎて、一人で抱えるのは無理があった。
両親を前に大きく、息をはく。
優しい表情を浮かべたまま、花音が話し始めるのを待っている二人に、気持ちを落ち着かせると口を開いた。
能力が目覚めたこと。
聖が陰の一族であったこと。
風の国が陰の一族に襲撃され、風夜と脱出したこと。
光輝との再会。
火・水・地の国が陰の一族について、雷の国を襲ってきたこと。
光の一族が住んでいた地で襲ってきた謎の女のこと。
そして、風夜達との別れ。
最後の方は再び泣き出しそうになったが、頑張って話した。
何度か言葉が詰まりかけても、両親は急かすことなく聞いてくれていた。
「……そう。大変だったのね」
話し終えると母がそう返してきた。
「お母さん、私、皆を……」
「いいのよ、花音。もういいの。もう此方にいなさい。ね?」
「能力があるかないかは関係ない。使わなければいいだけのことだからね。……そうだ」
何かを思い出したように父が声を上げる。
「花音、実はお前は学校を休学状態になっているんだ」
「えっ?」
「戻ってきたなら、学校に復帰しなさい。その方が気分転換にもなるだろう」
そう言った父に花音はただ頷いた。
『次もまた会えるよ』
そう言った風夜と光輝が、夜天と雷牙が消えていく。
彼等に花音の伸ばした手は届かなかった。
「っ!!」
飛び起きた花音は、其処が自分の部屋だと気付いて、息をはく。
(そうか。私、泣き疲れて寝ちゃってたんだ)
そう思っていると、戻ってくる前のことを思い出して、再び涙が出そうになる。
それを堪え、花音は自室を出た。
「あ、花音。もう大丈夫なの?」
リビングに行くと、母がいて優しい笑みを浮かべる。
「お帰り、花音」
休みだったのか、父の姿もあり、同じ様に笑みを浮かべていた。
「お母さん……、お父さん……」
「一体何があったのか、聞いてもいい?」
戻ってきた時にあれだけ取り乱していたのだ。
いつかは聞かれるだろうとは思っていたが、今とは思わなかった。
それでも色々なことがありすぎて、一人で抱えるのは無理があった。
両親を前に大きく、息をはく。
優しい表情を浮かべたまま、花音が話し始めるのを待っている二人に、気持ちを落ち着かせると口を開いた。
能力が目覚めたこと。
聖が陰の一族であったこと。
風の国が陰の一族に襲撃され、風夜と脱出したこと。
光輝との再会。
火・水・地の国が陰の一族について、雷の国を襲ってきたこと。
光の一族が住んでいた地で襲ってきた謎の女のこと。
そして、風夜達との別れ。
最後の方は再び泣き出しそうになったが、頑張って話した。
何度か言葉が詰まりかけても、両親は急かすことなく聞いてくれていた。
「……そう。大変だったのね」
話し終えると母がそう返してきた。
「お母さん、私、皆を……」
「いいのよ、花音。もういいの。もう此方にいなさい。ね?」
「能力があるかないかは関係ない。使わなければいいだけのことだからね。……そうだ」
何かを思い出したように父が声を上げる。
「花音、実はお前は学校を休学状態になっているんだ」
「えっ?」
「戻ってきたなら、学校に復帰しなさい。その方が気分転換にもなるだろう」
そう言った父に花音はただ頷いた。