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第2章 忠告

「なっ……、いきなり何をするんですか?」
 自分が斬りかかられたのだとわかり、青年に向けて声を上げる。
 今、自分が狙われた理由もわからない。
 その理由も知りたくての問いだった。
 青年は剣を納めると、口を開く。
「……驚いたな」
「それはこっちの台詞です!」
 だが、彼の口から出た言葉は聖月の問いに答えるものではなく、再び声を上げた。
「一体、何故私を?」
「……どうやら、お前が原因のようだな。急に斬りかかったことは謝ろう。それと、少し話がある。何処か邪魔が入らなさそうなところはないか?」
 そう言われて思いつくのは店の中だけだった。
 2
「……どうぞ」
 店のドアにかけていたプレートを『clos e』の方にしてから、先に中に入っていた青年に席をすすめる。
「それで私を狙ったのは?」
「まぁ、待て。まずは、自己紹介といこうじゃないか」
 本題に入ろうとした聖月を青年はそう遮ってきた。
「俺の名は煌翔。お前は?」
「……聖月……です」
 少し不満に思いながら、名乗られては此方も名乗らない訳にはいかないだろうと口を開く。
「……そうか。聖月、あれがお前の力か
 ?」
「あれって、世界を越えられる力のこと?」
「ああ。一日様子を見ていた。実際、先程俺の剣を避けたのも、必要な分飛んだだけだろ」
「それって、今日のお客さんを飛ばした時も見てたってこと……」
 それに頷くと、煌翔は真剣な表情で聖月を見てきた。
「……一応、聞いておくが、何か組織に入っていたりするか?」
「入ってないですけど」
 何故そんなことを聞いてくるのかと不思議に思っている間にも彼は質問を重ねてくる。
「なら、その力のことを知っているのは?この世界の王族関係、組織の者には知られているか?」
「まだ知られてはいないと思います。お客さんは固定の人ばかりです。だから、お客さんを増やすのにチラシを配ったくらいですし」
「……チラシというのはこれか?」
 そう言って、煌翔が出してきたのは、確かに聖月が配っていたチラシだった。
「そうですけど……」
 答えながら、煌翔の姿をマジマジと見る。
 彼の服装は軍服だ。
 誰に配ったかなど覚えてはいないが、それでも軍人のような人に渡してはいないはずだ。
「別の世界と繋ぎ、この世界と行き来できる。それ以外にも、時間を越えることができる……か」
 チラシの内容を見ながら、煌翔が呟く。
 それを聞きながらも、聖月は段々変な気分になってきていた。
(なんだか、尋問を受けてるみたい)
 そんなことを思っていると、チラシに向けられていた煌翔の視線が聖月に向けられた。
「お前の力が王族や何らかの組織にまだ知られていないというなら、今のうちに言っておく。今すぐ、その力を使って行なっていることをやめろ」
 突然言われた言葉に、聖月は息を呑んだ。
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