猫が紡ぐ希望
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それから数週間後、俺たち真選組は倒幕勢力を集める為に京へ出発する事になっていた
その3日前の夜、俺は万事屋に呼び出され居酒屋にやって来ていた
「よぉ」
「……おう」
先に店にいた万事屋の隣に、一つ席を空けて座る
「ヒデェ顔だな、そんな顔で京に行って仲間なんか集まんのかね」
「……どうだろうな」
この時の俺は目の下に濃いクマを作り、ロクに眠れずタバコが切れる度に吸い、どうしても眠れない時は酒を飲んで無理矢理寝るという不健康極まりない生活を送っていた
「忙しい方が……何も考えなくて済む」
「忙しさで紛れてるようには見えねぇけどな」
万事屋はそう言うと、懐から紙を取り出して俺の方へと滑らせる
「……なんだ?」
「ちょっとした依頼のついででな」
紙に書かれていたのは京とは真逆の方向の地名が並ぶ
「その辺に、出るんだとよ」
「出るって……何が」
「“土方十四郎”が」
「………はぁ?」
万事屋の言っている意味を理解できないまま、俺は次の言葉を待つ
「正確には“土方十四郎を名乗る白髪の人物”」
その言葉に、俺の口から咥えていたタバコが落ちる
「………な、んだ、それ」
「そんなツラで京に行ったって仲間なんざ集まるかよ
そっちはサボってたゴリラにでも任せて、お前はこっち行ってこいよ」
万事屋の言葉に、飛び出したくなる気持ちもあるが、それと同時にある疑問が浮かぶ
「生きてるなら、なんで帰ってこねぇんだ?
……帰って来たくねぇんじゃねぇのか」
「そんなこと知るか、気になるなら本人に聞けよ」
万事屋はそう言うと、飲み代を払わずに店を出て行った
俺は万事屋の残した紙に目を落としたまま、残った酒を喉に流し込んだ
店から出た銀時は懐から携帯を取り出し電話をかける
「よぉ、アンタから受けてた依頼だが適任の奴に任せた」
『「おやおや、では報酬はその方へお支払いした方がいいのでしょうか」』
「ざけんな俺が10割、んでアイツからも同じだけ取る」
『「そうですか、ではまた江戸に帰って来た時に」』
「出世払いなんてウチは受けつけちゃいねーんだけどな
……アイツには言ってんのか?ハクに会いたいのは土方だけじゃねぇだろ」
『「信女さんには言っていません、まぁなんとなく勘づいてはいるでしょうがね」』
「ま、報酬はハクも揃った時に受け取るとするよ」
『「丸くなったものですね」』
「アンタ程じゃねぇよ、元警察庁長官殿」
銀時は電話を切り、携帯を懐にしまうと、土方を置いて来た居酒屋の方をチラリと見て、ふっと息を吐く
「さっさと連れて帰ってこねぇと請求額増やしてやっからな」
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