妹からの手紙
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骸が奈落を去って数ヶ月
奈落の上層部もその頃には脱走した骸の捜索を打ち切っていた
そんなある日、朽がいつも鍛錬をする為に使っていた森で、紙が結び付けられた木を見つけた
その木はこの森で骸と鍛錬をしていた時、よく休憩するのに座っていた木だった
『骸………?』
見つからないようにする為か、木のてっぺん近くに結び付けられた手紙を取り、その木の上でそのまま読む
そこに書かれていたのは無事逃げられた事、返事が出来ればこの木に結び付けておいて欲しいという旨の事が書いていた
そして、“もし私を覚えていれば” とも
私はその手紙を元あった枝に結び直した
この手紙に返事をすれば、骸の存在がバレてしまいかねない
私がまたあの薬を使われていると思っているのなら、そのまま返事もせずこのままにしておいた方がいい
骸のことだ私が返事を書かなくとも何度か諦め悪くここに来てしまうのだろう
『………ここで鍛錬するのもやめた方がいいな』
手紙を確認するだけならばそうそう出くわすことは無いだろうが、鍛錬をしている所に骸とうっかり会うようなことは出来るだけ避けた方がいい
それから間を空け骸からの手紙は3回あった
朽はそれに目を通すものの、その後は元に戻し、返事も一度も書く事はなかった
それから数年、
枝に括り付けられた手紙が雨風に晒され跡形も無くなったころ、
朽は雪が降る中、久々にあの木の元へ足を運んでいた
この頃の朽は奈落の中でメキメキと立場を上げ、翌日から将軍の護衛となる事が決まっていた
この森にも来る事は無くなるだろうと思った朽の足は自然とこの木に向かっていた
骸からの手紙があるのではと思った訳ではない
だが、ふっと白い息を吐いて見上げたそこには、枝に積もった雪に溶け込むように、結び付けられた手紙
『………うそ………骸………?』
朽はすぐさま木に登り、白い息を吐きながら冷えて真っ赤になった指で手紙を開いた
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