鬼と歩む道
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「んでシグレ、この跡は何ですかィ?ここ、お前が噛んだ所ですよねィ?」
屯所に戻り、沖田の部屋で正座をするシグレは俯いたままピクリとも動かない
「シグレ」
「……だ」
「ん?」
「お、鬼がその、自分の獲物に残すしるしなんだ」
シグレの答えに、沖田は目を丸くする
「ヘェ………獲物?消えるんで?」
「き、消えないずっと、そ、そのまま」
「俺はシグレの獲物なんですかィ?」
「……鬼の……その、つ、つがい同士が付ける事も………ある」
ひたすら俯いたまま耳を真っ赤にして答えるシグレに沖田はふーんと言いながらニヤリと笑うと、右手の甲を差し出した
「んじゃ、今付けてくだせェよ」
「な、えぇ!?」
「ここ、思いっきり噛み付いて付けてくだせェ」
「な、なんで」
「やり方見てェんで」
シグレは困ったような顔をすると首を振った
「あ、あの時は無意識だったから、やり方なんて分からない!」
「そんなわけないだろィ?ほら早く」
シグレの唇の近くに右手の甲を差し出す沖田に、シグレは渋々というようにゆっくりと手を伸ばす
「い、痛いぞ?」
「職業柄痛みには慣れてるんで」
シグレがゆっくりと口を開け、右の手の甲に噛み付き、軽く唇で吸い付く
「は、前と全然違いやすね、甘噛み」
シグレが口を離すと、手の甲には薄っすらと血が滲み、梅の形の赤い跡が三つほどあらわれた
「すげ」
シグレは口元を拭いながらまた俯いてしまう
「俺も付けたり出来やすかね」
「へ?」
沖田はシグレのスカーフをシュルリと解き、シャツの襟を広げる
「え、ちょ、ちょっと、総悟!!?」
「ジッとしてなせェ痛くされたいんですかィ?」
「だ、だって総悟には牙が無いのに」
沖田はシグレの首筋に、噛みつき、シグレより少し強く吸い付く
「んっ……」
ピクリと肩を震わせるシグレに沖田は気分を良くしたのか、笑って口を離した
「チ、やっぱりタダの鬱血痕になりやしたね」
シグレの首筋には沖田の歯型と小さな赤い跡が残されただけだった
「だ、だから言ったんだ」
「じゃ、俺のしるしはすぐ消えちまうんで、消えたらまた付けてやりまさァ」
沖田の言葉に、シグレは飛び上がる
「な、ななな、はぁ!!?」
「毎日ちゃんと鏡で確認するんですぜ?」
「ば、馬鹿じゃないのか!」
「ふざけてなんかいやせんぜ?
またお前がどっかいっちまわないように繋ぎ止めとくんでさァ」
急に真剣な表情でそう言う沖田に、シグレは言葉に詰まる
「もう二度とあんな思いはしたくないんでィ」
「ぼ、僕だって嫌だ
どうしてか分らないけど、今、こうして2人で居られるのを手放さなきゃいけないなんてことはもう嫌なんだ、考えられない
これからはずっと総悟と生きたい」
「俺も」
沖田はそう言うと、シグレに印を付けられたばかりの右手でシグレの手を引き、抱きしめた
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