一番長い3年間
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私が彼女と初めて会ったのは私がまだ5歳の時
攘夷戦争やそれによる事故で親を亡くした身寄りのない子供達が大きな館に集められていた
子供達はそこで衣食住を提供される代わりに殺しの術を教え込まれた
そこで鍛錬を行う中で、私が怖いと思った部屋が1つあった
私よりも一つか二つ上の子供達が大勢倒れている部屋
死体の山なのかと思っていたそこからゆらりと1人の少女が立ち上がる
星のない夜空のように真っ黒な髪の間から私を捉える二色の瞳が光る
その瞳を私は不思議と綺麗と思ったのだった
それから暫くして、あの部屋があらゆる毒を身体に打ち込み、生き残ったものには更に新たな毒を打ち込むという毒に耐性をつけるための部屋だったという事が分かった
が、私がその部屋へ送られる頃には子供が死にすぎて効率が悪いという事でこの部屋は使われなくなった
あの綺麗な瞳を持つ女の子はどうなったのだろうか
あの後、更に別の毒を打たれて死んでしまったのだろうか?
それとも………
2年後、7歳になった私がいる「奈落」というところに将軍から命が下ったらしい
狭く、蝋燭の灯りしかない暗い部屋に集められた15人程度の子供の前に、顔に傷のある男が立つ
「私の名は朧(おぼろ)、お前達の中から数人、今回の任に同行してもらう
確か、全ての毒に耐えた者がいたのだったな前に出ろ」
と、私の左後ろで誰かが立ち上がり前に出る
顔を上げた少女の瞳に私はハッとする
あの子だ
死体の山の中、立ち上がったあの子だった
「お前の名は今日から朽(きゅう)だ、いいな」
『はい』
その後、彼女の他に2人の子供が呼ばれ、真夜中に傷のある男と共に奈落の館を出た
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