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ハクが隊士として働くようになって数日、今日の見回りはハクと沖田の2人である
ハクが一緒の見回りでも、サボり魔である沖田は通常運転である
『総悟はこうやって見回りをしてるのね』
「そうですぜィ、サボると見せかけ、この街に溶け込み、真選組としての気配を消し、犯罪者を根こそぎしょっぴくんでさァ」
心地いい日差しの元、団子片手に椅子に並んで座る2人は、見回り中の真選組隊士ではなくただ休憩をしているようにしか見えない
『……おいしい』
団子を食べ、ポツリとそうこぼしたハクに、総悟はパッと目を見開く
『総悟?どうしたの?』
「いや……こっちの草餅も旨いですぜィ」
ハクは屯所のご飯でも美味しいかどうか聞けば答えていたが、こんな風に自分から食べ物の感想を言うのははじめて見た
ハクが屯所に初めて来たとき、総悟はハクの気配を全く感じとることができなかった
近藤がどんな相手でも無警戒にすんなり受け入れてしまうのはいつものことだ
だが、たった数日であの土方がハクに対する警戒を解いてしまったのには驚いた
近藤、土方の2人が警戒を解いてしまった事で、総悟は逆にハクに対する警戒を強めた
が、一発の銃声が総悟の警戒も解いてしまう
近藤を弾丸から身を挺して守り、大怪我を負いながらも戦い続けたハクに対して、警戒する気が失せてしまった
元、将軍の護衛として身を挺して主を守った様が全身に刻まれた傷痕が物語っている
団子を食べてふとおいしいとこぼしたハクに、果たして今真選組にいるのはいい事なのだろうかと考える
記憶を消されたハクにとって、血生臭い世界から抜け出すチャンスだったのでは無いだろうか
屯所に来てすぐのハクの事を思うとそれは大変な事だろうと思いつつも、きっと無理な話では無かったはずだ
よもぎ餅をびょーんと伸ばしながら頬張るハクを総悟はじっと見つめていた
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