急襲の急襲
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「ハクー稽古付き合ってくだせェ
今晩に備えて準備運動でさァ」
翌朝、ハクが女性であるにもかかわらず、いつも通り容赦なく部屋の戸を開けて部屋へ入ってきたのは沖田だった
「なんでィまだ寝てやがる珍しいこともあるもんで」
沖田は不思議そうにハクの眠る布団のそばにしゃがみ込むと、布団を剥いだ
「な」
剥いだ布団の中にいたのは気持ちよさそうに眠るハク、そしてその手には見覚えのある黒っぽい羽織
それが何か分かった沖田は途端に機嫌を悪くする
「なんで土方の羽織なんて持って寝てんでィ」
沖田が羽織をハクの手から引き抜いた瞬間、ハクがカッと目を見開き、沖田を押し倒した
「!!!」
『……………あ、総悟ごめん』
一瞬の出来事だったというのに、ハクは沖田の手足をしっかりと抑えていた
真選組で一番の手練れとされている沖田ですらなんの反応も出来ない素早さに沖田自身も目をパチパチとさせていた
『それ、昨日私が十四郎に貰ったの。返して』
「貰ったって……は?
なんでこんなタバコ臭ェ羽織なんで欲しがんでィ」
『それがあると眠れた』
「はぁ?」
釈然としない所はあるが、沖田は羽織へ手を伸ばし続けるハクに大人しく羽織を返した
「まぁいいでさァ稽古、行きやすぜ」
『分かった着替えるから待って』
こういう場合、沖田は部屋から出ない
何故ならハクが全く恥ずかしがったりしないからだ
真正面からまじまじと見るようなことはしないが、傷跡が縦横無尽に走る白く細い背中をぼーっと見つめる
『総悟は』
いつも無言で着替えるハクが自分の名前を呼ぶ、話しかけられると思っていなかった沖田は少し驚いたように姿勢を正した
『私は何をしてたんだと思う?』
「記憶をなくす前ってことですかィ?」
『うん』
「さぁねィ、ただ、
誰かを守ってたんじゃねェんですかィ?」
『……え?』
土方と近藤の意向で、ハクが元将軍の忍であったことは秘密にするようにと言われている
幸せな生活でなかったであろうことは容易に予想がついたからだ
ただ、誰かを守っていたそれは事実なのだ
「誰かを守ろうとしなけりゃ、そんな風になれねェ」
沖田の言葉にハクはキョトンとしていたが、何も言うことは無かった
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