始まりの日
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「た、頼む、殺さないでくれ!」
月明かりのない新月の夜、仕立ての良い着物に身を包んだ幕臣の1人が、その綺麗な着物が砂で汚れるのも構わずに四つん這いになって必死に江戸の街を逃げる
男を背後から足音を立てずに追いかける人影は全身黒ずくめのいわゆる忍者の格好だ
頭巾と口布に覆われた頭から覗くのは妖しく光る二つの瞳
右目は金色に輝き、左目はエメラルドのような緑色に輝く
その目を見た男はガチガチと歯を震わせる
「お前が、徳川定々公が飼っているという奈落の化け猫か……!?
そんな……まだ年端もいかない子供……グハッ!!!」
黒ずくめの忍びは幕臣の男の声に耳を貸すことなく背中に背負っていた刀で背中を突き刺した
忍びは男の半分程の身長しかなく、まだ10にもならない子供であるのは明らかだった
「何故、こんな子供っ……が……」
男はガクリと倒れ、生き絶えた
子供の忍は刀を抜き去り、軽く振って血を払った
『なぜ………?
私はこれが仕事だから
…………だから……?』
口布越しに生き絶えた男にかけられた声は少女の声だった
、
1/3ページ