短編後日談SS
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~髪長姫の悩み事~
「ほらよ紅葉これやりまさァ」
総悟がそう言って私に渡したのは今の髪の長さでは到底使えそうもない髪紐
今の私の髪は、先日攘夷浪士に捕らえられた時に切られ、肩につかない程短い
『髪型はどうでもいいって言ったくせに』
自分の部屋で少し幅の広い真紅の髪紐を持ちながら、どうにかして使えないかと考える
以前のようにポニーテールにしようにも長さが足りない
そうして試行錯誤した結果、なんとか束ねる事が出来たのはまだ長い前髪だけ
『ないな、うん、これはない』
鏡に映るちょんまげ姿の自分に苦笑いしていると、部屋の戸が開く
そこにいたのは総悟
「………ブフッ」
『わ、笑うな!!仕方ないじゃない!今縛れそうなのここだけだったの!』
総悟は肩を震わせ笑いながら私の前にまるで不良のようにしゃがみ込むと、髪紐を解く
それだけの動作なのに不思議とドキリとさせられる
総悟に助けられたあの日、口付けを交わしてしまったせいだろうか
「じっとしてろよ?」
総悟にそう言われずとも、私はカチコチに固まってしまっている
髪紐を持った総悟の手が首の後ろに回る
首の後ろに少し触れた指先がくすぐったくて、つい肩をすくめてしまう
「あ、わりィ」
『だ、大丈夫、ちょっとくすぐったかっただけ』
間近にある総悟の顔を見れず、自分の手元ばかり見てしまう
と、次は総悟の手が耳に触れる
『っ!』
「ふっ…わりィ」
『わらっ!?ワザとでしょ!?』
「もう少しなんでィじっとしてろィ」
悪ふざけをする総悟を不満に思いながらもされるがままにされる
「よし、出来た」
鏡にはさっきの髪紐をカチューシャのように髪につけた自分が映る
『あ、可愛い』
「ちょんまげに使うんじゃねェんで」
『わ、分かってるよ!』
「あ、ちょっとまちなせェ」
『へ?』
「仕上げがありやした。目、つぶりなせェ」
総悟の言葉に首を傾げつつも、私は大人しく眼を閉じる
と、唇に少しカサついた柔らかいものが触れる
『な、なななな!?』
「それ付けて顔真っ赤にしてるの最高に似合いまさァ」
未だ唇の触れ合いそうな距離でニヤリと笑う総悟を私は突き飛ばす
「っ!?なにしやがんでィ!」
『う、うるさい!総悟の馬鹿!!』
髪が短いと、こういう時、俯いても顔が丸見えだ
やっぱり、髪は伸ばさなきゃ
、
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