灰被り姫の嫁ぎ先
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「モグモグ……結婚?」
「どうせオメーさんは戦いにしか興味ねーんだろ?だったらどこぞの資産家の嫁でももらって春雨の勢力拡大に協力しろってよ」
大盛りの卵かけご飯を食べる神威に阿伏兎が声をかける
海賊というのは金が要りようだ
海賊働きで金を奪うよりも安定した資金源がある方が活動しやすい
そこで春雨の阿呆提督が考えたのは見目のいい団員を宇宙でも名のある資産家と結婚させ、人質がわりに金を貰おうというものだった
「べつに、結婚に興味が無いわけじゃないよ?強い女と結婚すれば強い子供が生まれる
そいつが俺より強かったら最高じゃないか」
相変わらずの考えに阿伏兎は平然と答える
「別に宇宙中飛び回ってんだ
どこぞで女作ろうが子供作ろうがこの船にいる嫁さんにはバレねぇよ
とりあえずまずは相手方との見合いだ
提督はお前のとこに1番金のある奴を持ってきてやがる
姉妹だからどちらか選べってよ」
阿伏兎はそう言って二枚の写真を取り出した
神威は美人でよく似た姉妹の写真をチラッと見ると
「なるほど、じゃあまぁ結婚はしてもいいかな
で、なんで俺んとこに1番金のある奴なの?」
「オメーさんが1番見込みがあるってことだ」
「ねぇ阿伏兎、これどういうこと」
「……し、しらねぇよ」
数日後、春雨の船にやってきた資産家の娘2人との見合いが開かれた
「こちら、わたくしの娘のハナコとヤスヨでございます」
分厚い唇のお世辞にも綺麗とは言えない人間の母親が娘を紹介する
「〇〇ですわよろしくお願いします神威様!」
「△△でございます。この姉よりも料理が得意ですの!」
「そんなことありませんわ!わたくしのほうがお料理は上手ですもの!」
分厚い唇の母親以上に醜女な2人の姉妹が見た目とは全く違うところで揉めている
正直神威も結婚に興味はないが、すすんで醜女と結婚する気はなかった
姉妹は怪力の天人と人間とのハーフということで以前みた写真は、姉妹どちらもかなりの美人だった
まぁ美人ならどうせ政略結婚なのだから性格が多少難ありでもいいかと軽く返事をした神威だが、この状況は予想外だった
(あの写真は加工……いや加工どころの騒ぎじゃないなまるで別人だ)
阿伏兎が見せた美人2人の写真と目の前にいる醜女の姉妹2人との共通点は髪の色くらいだ
「神威様に食べて決めていただけばいいのよ!」
「そうね、そうしましょう
紅葉!わたくしたちの作った料理を!」
姉妹が揃って手を叩く
するとそこへ、顔が見えなくなるほど深く笠を被った召使いらしき女が入ってきた
「これが〇〇様のお作りになった料理、こちらが△△様のお作りになった料理でございます」
神威は目の前に置かれた二品の料理に驚く
料理から湯気と共に漂う食欲をそそる美味そうな匂い、どうやらこの2人が料理が得意というのは本当らしい
見た目は悪くても、料理が得意ならば船に戻る度に美味い飯にありつける。それはそれでアリかと神威は考えながら料理に手をつける
「……!美味しい!」
二品の料理を綺麗に食べ終えた神威に2人の姉妹はご満悦である
神威はお茶をグイッと飲み机に置くとニコリと笑った
「あー美味しかった
……で、この2つの料理、誰が作ったの?」
神威の突然の発言に阿伏兎はギョッとする
こいつは一体何を言っているのかという顔をする阿伏兎とは裏腹に、目の前にいる姉妹は青い顔をしている
「君、紅葉って言ったっけ?ちょっとこっちにきて?」
神威は料理を持ってきた紅葉という召使いの女を呼ぶ
紅葉は姉妹とその母親に了解を得るようにチラリと見ると、了解を得たのか神威の前まで歩いてきた
神威は紅葉の手を取りにおいを嗅ぐ
「!」
突然手を取られ、その上においを嗅がれている紅葉は流石に驚いたようだった
「やっぱりアンタだねこの料理作ったの
美味しかったよ」
神威は二品の料理を食べ、どういうわけか1人の人間が作ったのかを見抜いたのだった
「いいえ、私は料理を運んだだけで料理をお作りになられたのはお姉様達でっ!」
「っ、紅葉!!」
母親と姉妹2人が物凄い剣幕で紅葉に声を荒げる
「お姉様?ってことはアンタはこの2人の妹なの?」
「え、えぇそうなんですの!
前妻の娘でとんでもない醜女なのでこうして顔を隠させて2人の世話をさせておりますの!
先程の料理は持って来た際に匂いが紅葉についただけですわ!神威様は鼻が良いのですわね!」
母親が急いで取り繕うように喚き散らす
その間も神威は紅葉の手を離さなかった
「でもそれなら俺が結婚するのはこの子でも良いわけだ」
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